デヴィッド・シルヴィアン

PEOPLEText: Anthony Augendre

最新アルバムの中の「Praise」という曲に女性の声が入っていますね。宗教的な歌のように思えるのですが?

そうです。サンスクリットについて歌った歌です。神聖なるマザーの3つの面を賛美した歌です。シンガーはインドの聖なる女性、シュリ・マーです。彼女について何か説明しましょうか?

ええ、是非お願いします。

彼女はインドで生まれ、早い段階で現世の全ての物から離れ、彼女自身を神に捧げる為にインドの森に入って行ったのです。一定期間ヒマラヤに住み、神への献身により聖なる女性、シュリ・マーとなりました。1994年に渡米し、とても謙虚な生活をしていました。今もそうですが。 1997年に彼女は初のアメリカ縦断を計画し、40人もの人達と共に私の家に滞在し、私の家を礼拝所に改造してしまったのです。

彼女は毎朝歌を歌いました。彼女の声は私の家を通して共鳴し、それは壮大なものでした。素晴らしい感動でした。家の中にスタジオがあって、彼女は声を録音する事を許可してくれました。私達にとって非常に重要なドキュメントとなるものを記録することができたのです。でき上がった作品を毎日繰り返し何度も聴く事は、いつしか私達の習慣の一部になっていました。それで結局シュリ・マーをゴールの例として、その部分をアルバムに収録するのが当然の事に感じたのです。彼女は純粋に神への献身という透明感で歌う事ができる人です。彼女の声はこのアルバムの頂点となっています。

彼女の声を入れた事が私たちへの贈り物であると感じていますか?

神からの贈り物です。彼女は自分自身を万人に与えるのです。それは恩寵です。

このオリエンタルな神秘主義から何を発見しましたか?

私にとってのポイントは、毎日の生活における戒めを見つけ出す事でした。前から仏教、特に禅仏教にとても興味がありました。その事は私の習慣の中に表れています。師匠と呼べる人がいたことが一度も無かったので、私は自分一人で習得してきました。そのため習慣というものはとてもドライで、最終的に私の生活を潤すという事は無かったのです。

イングリット(イングリット・シャヴェイズ、デヴィッドの妻)に出会った時、私達は一種の協定を結びました。共に自分達の生活面を探求して行くという協定です。私達の共通のゴールでした。お互い、別の師匠と呼べるような人を探し始め、そのことが私達に戒めを与えてくれ、誰かがコンスタントに習慣をインスパイアするのです。

また、習慣の一部には、 今回のアルバムでも言われている Surrender (身をゆだねる)という概念も含まれています。身をゆだねるという事は一息ごとに確認、そして再確認するために必要な事なのです。それで、その事が瞑想、意志、意識の行動となるのです。意識を維持するという意味です。ヒンズー教の悟りでもあります。私は自分の事を仏教徒ともヒンズー教徒とも思ってはいませんが、私の習慣はそのどちらの側面も悟っているのです。

最新アルバムのカバーデザインについてもう少し詳しく教えて下さい。レイアウトに細心の注意を払っていると伺いましたが。

日本人のアーティスト、藤原新也によるエッチングです。彼は「レイン・トゥリー・クロウ」のアルバムカバーの写真を担当した人物です。日本ではフォトグラファー、エッセイスト、評論家として有名ですが、彼はとても素晴らしいビジュアルアーティストでもあります。

今回のカバーの為にオリジナル作品を制作してくれました。とても美しいカバーになっています。ラッセル・ミルズがそれをデザインし、ユーコと私がディレクションしました。写真はアントン・コービンによるもので、ゴールドにプリントされています。

あなたのチームですね!

そうですね、私のチームです。(笑)友人達と一緒に作り出したものは全て、とても美しいものになっています。ラブリーなカバーにとても満足しています。


Dead bees on a cake
発売日:1999年3月30日
発売:Virgin
英国版:CD: CVD2876
日本版:CD: VJCP-68012

Text: Anthony Augendre
Translation: Mayumi Kaneko

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