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デヴィッド・ラシャペル回顧展

HAPPENINGText: Kana Sunayama

ヴェルサイユ宮殿でのジェフ・クーンズ展、フォンテーヌブロー城でのパレドトーキョー主催現代美術展など、ここ数年のフランスは、各地の歴史的建造物内で現代アートの展覧会を行うのに余念がない。
そんな流行のなか、今度はパリ造幣局までもが大々的な現代アートの展覧会の企画を打って出てきた。

デヴィッド・ラシャペル回顧展
Museum, 2007 © David LaChapelle

これまでにも小規模な現代アートの展覧会を行ってきた造幣局であるが、今回はファッションや広告の世界での売れっ子写真家であるアメリカ人アーティスト、デヴィッド・ラシャペルの回顧展だ。

デヴィッド・ラシャペル回顧展
Photo: Kana Sunayama

造幣局とは言っても、今でもここでユーロ貨幣が鋳造されているわけではなく、現在では博物館として利用されている。その建物の2階部分に、狙ってか狙わずか「金」という欲望の対象を擬人化するようなハリウッドスターや世界のセレブリティーたちを得意の被写体とする、デヴィッド・ラシャペルの作品200点あまりが収集された。

この回顧展はテーマごとに作品が展示され、2Dである写真の裏にダンボール紙を貼付けてそれを前後左右に並べただけのハリボテ3D作品や、 撮影現場を追いながらデヴィッド・ラシャペルを神のようにあがめるエキストラたちが出演するメイキングオブビデオ、または作家自身が『ミケランジェロによるバチカンのシスティーナ礼拝堂の壁画にインスピレーションを受けた。』とはずかしげもなく豪語する最新の発表作品「大洪水」シリーズも見ることができる。

デヴィッド・ラシャペル回顧展
Cathedral, 2007 © David LaChapelle

もちろんファンを喜ばせるレオナルド・ディカプリオ、マドンナ、デヴィッド・ボウイ、ナオミ・キャンベル、パメラ・アンダーソン、ユマ・サーマン、エルトン・ジョン、アンジェリーナ・ジョリー、パリス・ヒルトンなどのセレブスター写真や、彼のミューズであるアマンダ・ルポールの作品なども多数展示されていた。

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