チマン

PEOPLEText: Satoru Tanno

今月のカバーデザインを制作してくれたのは、フランス北部のリールという地方で、ウェブを核としてインタラクティブデザインを手掛ける、デザイン集団「チマン」。オンラインゲームを中心に、キャラクターを活かしたフラッシュなどで独自のスタイルを確立している。
彼らは、何故パリではなく、リールで活動しているのか、そのスタイル、スタンスを聞いてみた。

まず、自己紹介をお願いします。

会社組織となる前、チマンは共通のプロジェクトにたいしてそれぞれの能力を生かしながら活動するデザイン集団でした。積極的に新しいコミュニケーションの在り方を開発しながら、一定の目標に向かってそれぞれの得意分野を担当して仕事をしています。僕たちはこの新しいテクノロジーが世界全体に大きな好機をもたらすものと確信しています。

チマンの活動について教えてください。

いわゆるマルチメディアという領域の中心地点で活動をしています。アニメーション・デザイン、サウンド、音楽という分野です。
大きく分けると2つの領域に別れると思います。まず一つは、マルチメディア・コンテンツの制作で、これは僕たちの長期的かつ唯一の目標です。自分たちのウェブでの完全なインタラクティブ・ヴィジョンを表現しようというものです。これらの中には一般の会社で自社サイトに一味加えたいというところに提供されるものもあります。
2つめは、ウェブ・デザインです。いまのところこれはチマンにとって重要で、これらの仕事から我々自身の制作費を捻出しています。フランス・テレコムやIBM、ロータスといった会社と仕事をしています。

では、インタラクティブ・デザインの制作にあたり、心掛けている事は何ですか?

プリント・デザイン、放送、ヴィデオゲームという存在が文化的背景として健在である今、新しいテクノロジーを通じたコミュニケーションが重要だと思っています。

今、一番興味のあることは何ですか?

チマンのスタッフそれぞれは、異なった嗜好を持っていますが、一つ共通することは、我々は全員、他の多くの人たち、たとえば日本の人達、などとヴィジョンを共有したいと思っていることです。他の国の文化から学ぶべきことが多くあると思っています。必ずしも、テクノロジーという観点からのみではなくて、人間としてということです。

フランス北部のリールで仕事をしていることについては?

リールにいるのはとても誇りに思っています。TGV(フランスの高速列車)で、パリまでは58分ですし、ロンドン、ブリュッセル、アムステルダムも遠くありません。よくパリにも行きますし、友人も沢山いますが、4大都市の中間にありカントリーサイドを満喫できるリールはヨーロッパでも最高の場所だと思います。近くにきたら是非寄って下さい(笑)

写真で見るととてもきれいで楽しそうな雰囲気のオフィスですね。

良いバイブレーションの中で仕事をすることはとても重要です。「クリエイティブ・ラボラトリー」に、夜用の「チルアウト・ルーム」、それにお茶を楽しむ庭があります。

フランスのウェブ/インタラクティブデザインで、注目しているデザイナーなどはいますか?

Oeil pour Oeil」を始め、沢山います。フランスは立ち上がりが遅すぎましたが、今はいくつか面白い動きが出始めてきています。

日本についてはどう思いますか?

魅力的な国だと思います、とても興味深い生活をしているように思えます。メンバーの一人、トニーの両親が日本人ですし。
今、来年の夏に向けて大きな仕事の準備をしていて、パリ、ベルリンそして東京のテクノパレードをカバーするというものです。東京については楽しみにしています。何かアドバイスがあれば知らせて下さい。

最後に、将来の計画を教えてください。

南フランスのカンヌで開催される一大イベント、ミリアで新しいフラッシュ・アニメのオンライン・ゲーム「Banja」を発表するつもりです。3月にはファンキーでスペイシーなチマンのCDをリリースする予定です。

Text: Satoru Tanno

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