インテンショナリーズ

PEOPLEText: Chinashi

インテンショナリーズ(以下:ITL)とは1995年秋に、建築を通したモノづくりを『確信して』実践するために創られた建築の『レーベル』である。

テイ・トウワのCDジャケット用IDデザイン(SOUND MUSEUMのDJ養成ギブスのデザイン)や、タイクーン・グラフィクスとのコラボレーション、家具のデザイン、そして果ては超高層建築までと言った既成の(建築としての)枠組みを軽やかに越えているかのようなスタンスがメディアから注目されている彼等だが、「プロジェクトごとにどの様にして取り組むべきなのか」という基本的な問いかけを常に持ち続け、その瞬間ごとに最良の方法を探るという非常に真摯なスタンスからそれは始まっているに過ぎない。

「ジャンルを横断したり、常に形態を変え続けたりすることは特別な事ではなく、むしろ、見たことのないものを見続け、領域を揺らし、そして断面を試行し、それを実らせて行く為のソフトウェアであると冷静に捉えている」と彼等は言う。
その柔軟な試行こそが、『建築』というひとつのアウトプットに新しい創造性を持った命を吹き込み始めていることは確かだ。

今月のSHIFTでは、そんなITLの代表である鄭秀和、遠藤治郎、大堀伸の3人に、最近増改築を手がけた神宮前にある遠藤邸にてインタビューを試みることとなった。ITLのひとつの側面がこのインタビューから見ることが出来れば幸いである。

インテンショナリーズの定義というところで、「建築というモノづくりを通して実践するためのレーベル」とありますが、その辺からおうかがいしたいと思います。
もともと建築をやってらっしゃって、それで建築をコアにしたモノづくりということになるのかなと思いますが、今はいろいろと建築以外(?)のこともやってらっしゃいますよね。

鄭:僕たちはもともと学校で設計を習っていたわけだけども、自分たちが学生時代に机上で行ってきた設計活動というものを終えて、本格的に設計活動するにあたって、それだけじゃないんじゃないかなと。
モノ化するにあたっての過程を実践していくのが僕たちのやりたいことかなと。逆に色々なことをやっているというのではなくて、建築を作る上で色々なものがあるっていうものを素直に追っていくと、インテリアでもグラフィックとか音楽でも、何でも身近に一つ一つやっていかなければならないことっていうのがあると思うんですよ。それを統括しているのが建築ということで、別に僕たちが分散させて、マルチな方向でやっているってわけではないんですよね。


テイ・トウワ「SOUND MUSEUM」CDジャケット用IDデザイン

要するに建築というキーワードから、色々と内包してくるインテリアとかエクステリアとか、もっとディテールの部分までを総括して考えていくということですか?

鄭:総括というか、まあ、当たり前にやっていくという。

遠藤:『建築としての行為』というものが取り入れられるっていう風に考えています。まとめようっていうのではなくて、ひとつひとつ解決していったり、クリエイトしていく出来事っていうのを、どう解いていくかってことが建築的行為だと僕たちとしては思っています。

たとえば、今回の遠藤邸の改装された空間を見て感じたことですが、人間が自然に集まってくる様な、カフェ的なアクティビティを感じました。ハード的に考えているというより、生活に近い視点があるのかなと思いました。

遠藤:それも一つとしてあると。何かが突出しているわけではないんですよ。

鄭:建築って建物を作って終わりじゃないわけじゃないですか。5年後10年後先とか、その使われ方によって、全く自分の意図しない使われ方も出てきちゃったりとか、いろんな事件が起こって来る。その中で、例えば今回のパーティとか(サロン的な集まり)はあってしかるべきだと思いますし、お披露目会っていうよりはどっちかっていうと…。

大堀:こういう集まりをやることによって設計を完成するということすかね。

そういうことを含めて『建築としての行為』に入ってくるということですね。

鄭:そうそう。入ってきますね。

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