サウンド・リパブリック 3

HAPPENINGText: Daima Kawamura

音と映像の共存、まさにその集大成というべきイベント「SOUND REPUBLIC」が10月13日に渋谷「WOMB」で行われた。

海外からのゲスト・アーティストはUKクラブチャートで最近1位を獲得したばかりの「FC/Kahuna」とイギリスの次世代アーティストとして高い評価を得ている「SHE ONE」。また、NYからも確かな音楽性と高い技術力が評判の DJ サトシ・トミイエ、独特のファンタスティックな映像スタイルで、ワールド・ワイドな活躍をみせる宇川直弘がプレイした。

午後23時を過ぎたあたりから、メインステージに人だかりができ始める。“踊る”というよりは、昨年に続き、1stVJを務めている「29970」のプレイをじっと見つめる人々が目立つ。

午前0時。1階のわずかなスペースを利用した「SHE ONE」のアート・プレイがスタート。赤と黒を主調に、白いキャンパスに様々なラインを絡めていく。ロッカースペースのざわめきや1階フロアから聴こえてくるハイテンポなメロディとは対照的な“静”の空間。そこで新たに創造された“アート”は、幾羽もの鶴が舞う日本の空の風景だった。

2時半を過ぎると、メインフロアの盛り上がりも絶頂に達していた。休憩をとるために1階フロア、階段、3階とうろちょろするが、スペースを確保できないばかりか、身動きも困難な状態。結局埒があかないのでメインフロアに戻ると、「まじ、サトシ・トミイエ、サイコーじゃない?」と何度も話し掛けてくる Mr.Drunk(!?) に出くわす。コイツうるさいなーと思いつつも、キレのいいスクラッチを耳にしつつ「まじ、サトシ・トミイエ、サイコー」の言葉だけは、頭の中でリプレイされていた。

午前4時XX分。南青山でプレイをしていたという宇川直弘が予定より30分ほど遅くれて到着。アメリカ、ヨーロッパ、そして日本と世界を股にかける天才グラフィスト・宇川直弘の登場で一層盛り上がりをみせるギャラリー。外国人モデルの映像を使う独特の手法は今回も健在で、杖を持ったマジシャン風金髪女性がスクリーンで舞うたびに、フロアは異様な熱気に包まれていく。壁に寄りかかりながらじっと映像を見続ける背の高い男の子、カクテルグラス片手に廻り続けるブラック・ダンサー、会話を楽しむ女の子の二人組み、気持ち良さそうに体を揺らすリラックスムードの俳優IやO、AやTの姿…。「SOUND REPUBLIC vol.3」の夜は、こんな風にそれぞれのやり方で幕を閉じていった。

SOUND REPUBLIC 3
A NEW SHOP + CREATORS BRIDGE Presents
日時:2002年10月13日(日)21:00~5:00
会場:WOMB (渋谷)
Live Painting:SheOne (グラフィティーアーティスト、イギリス)
DJs:サトシ・トミイエ、DJ Hyper、FC/KAHUNA
VJs:宇川直弘、FIXER、29970
info@soundrepublic.net
https://www.soundrepublic.net

Text: Daima Kawamura
Photos: Daima Kawamura

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
スネハ・ディビアス
MoMA STORE