中村勇吾
PEOPLEText: Naoko Fukushi
カンヌ広告祭でのサイバーライオン・グランプリ受賞など、ますます世界での評価が高まる、日本を代表するウェブデザイナー、中村勇吾。今回手掛けていただいたカバーは、クレイアニメーション!プログラミングのスキルもさることながら、いつもそのアイディアで驚かせてくれる勇吾氏。いかにしてアイディアが生まれるのか、彼が手掛けたプロジェクトのバックグラウンドなどを伺った。
まずはじめに、自己紹介をお願いします。
中村勇吾。東京在住。ネット上の色んなプロジェクトに関わり中。
ディレクター/デザイナー/エンジニア/コーダー。要するに何でもやってます。
現在どのような活動をされていますか?
相変わらず、あっちこっちでインターフェースデザインに関わってます。最近、再びアニメーションに興味を持ち出したので、そっち方面でもいろいろ作ってます。
「NECのエコトノハ」での、カンヌ広告祭受賞(サイバーライオン・グランプリ)おめでとうございます。
ありがとうございます。嬉しいです。
ご自身では、この成功に満足していますか?
受賞はもちろん嬉しいですが、それ以上に良かったのは、それぞれのユーザからとても面白い反応を得ることができたことです。こちらの期待通りの使われ方と、逆に思いもしなかったような意外な反応が並行して発生していった現象が、個人的にはとても興味深かったです。
このサイトのコンセプトや制作に留意した点を教えてください。
・集団によって形成される形の面白さ、意外性。共同と差異を同時に楽しむシステム。
・それが全体的にポジティブなムードを保つための舞台装置。形態主導のコミュニティのオリエンテーション。
・サイトが機能するリズム、時間のデザイン。一人につき毎日一枚の葉っぱ。毎日の習慣化。他のTVメディア等では決してできないような、ある一定の幅をもった時間の中でのデザイン。
・全体の世界観のプレゼンテーションから、細かい「HOW TO USE」まで全ての要素を一つのインターフェースで解決すること。単純さの死守。多面性をもったシンプルなインタラクションの構築。
最近手掛けたプロジェクトをいくつか教えてください。
・Intentionallies
建築事務所「intentionallies」のポートフォリオサイト。
超リニアな構造。カードメタファーのフレキシブルなインターフェース。
・Nike Art of Speed コンピレーションDVDへのアートワーク提供
「速度」の相対性をテーマにしたインタラクティブ・イラストレーション。
・Mindsphere
Blogを中心にしたネット上の活動をビジュアライズするサイト。Aggregatorと接続されたオブジェクト。
日本の先駆的なコンテクスチャルなコミュニティ「関心空間」サービスにおける各エントリー同士の文脈構造を視覚化した、ビジュアルブラウザ。現在製作途中段階ですが、ベータ版を公開中。
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