もう1つの人気のある AWA の写真、「マリーズ・チョコレート」。オハイオ州マリーズ・チョコレート工場のピンク色の円筒形貯蔵タンクには、「COCOA」、「MILK」、「SUGAR」と書かれた太くて大きな黒い文字が青空に映えている。

「マリーズ・チョコレート」アメリカ､オハイオ州､クリーブランド © AWA (@accidentallywesanderson)

最も魅力的な部屋は「チェックイン」セクションだろう。アンダーソン監督の愛すべき映画「グランド・ブダペスト・ホテル」を彷彿とさせる深紅の赤が、フロントデスクの受付や金色の額縁に収められたアートワークがあるホテルのインテリア全体に広がっている。ここでは、展覧会のポスターやAWAの本の表紙にもなっている、カルロ・キュッテルによる最も有名なAWA写真「ホテル・ベルヴェデーレ」が展示されている。スイスのフルカ峠を舞台にしたこのホテルは、1965年のジェームズ・ボンドの映画「ゴールドフィンガー」のロケ地にもなっている。

「ホテル・ベルヴェデーレ」スイス､フルカ峠 © Carlo Küttel (@carlokuttel)

この楽しい展覧会では、どこか遠くへ旅立ちたくなるような発見があり、また写真の芸術性に目を奪われ、心を癒すことができる。また、AWAコミュニティの賞賛に値する取り組みは、コミュニティへの参加というポジティブな影響も与え、一般の人々にも写真の才能を磨く機会を与えてくれるだろう。

なお、大好評につき今冬、ヒカリエホール（渋谷ヒカリエ 9F）にて再開催が決定している。お見逃した方は是非訪れてほしい。

ウェス・アンダーソンすぎる風景展 〜 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている
会期：2023年4月5日（水）～ 5月26日（金）
開館時間：11:00～19:00（金・土曜日 20:00まで）*入館は閉館の各30分前まで
　　　　　※GW中（4月30日～5月4日）と最終週（5月22日～25日）は20:00まで
会場：東京・天王洲 寺田倉庫G1ビル
住所：東京都品川区東品川2丁目6‐4
入館料：一般2,000円（1,800円）/ 大学生1,500円（1,300円）/ 高校生以下 1,000円（800円）
　　　　*カッコ内は前売料金
主催：ドリームスタジオ / Bunkamura / 産経新聞社 / WOWOW
TEL：050-5541-8600（ハローダイヤル）
https://awa2023.jp