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奈良美智作品集

THINGSText: Hiraru Nakasuji

奈良に最初に声をかけたのはケルンのギャラリストであった。「Hula Hula Garden」は平面にとどまらずインスタレーションへ昇華させた意欲的な作品と言えるだろう。それは、ひとさじの狂気とブラックユーモアを子どもの無垢な世界観に織り交ぜたような心地だ。


“Hula Hula Garden”, 1994, Mixed media, Dimensions variable, Installation View: Christmas for Sleeping Children, Itoki Crystal Hall, Osaka, Japan, 1994

「かわいい」という概念が奈良の作品に反映され始めたのは1900年代中頃であり、ちょうど彼が日本国内外で注目され出した時期でもある。かわいいという言葉に内包されている「優しい」「愛らしい」「可哀想」「哀れ」を表すのに女の子の形をとったのである。それは愛らしさを比喩的な形状とシンプルな構成要素を持って、鑑賞者と対話するにあたって非常に効果的だったと言えるだろう。


“Aomori-ken (Aomori Dog)”, 2005, Reinforced concrete, 8,500 × 6,700 × 9,000 mm

1900年代後半になると繊維ガラスやセラミックで女の子や犬の彫像を製作するようになる。一風変わってポストインダストリアルな試みだ。

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