平尾成志

PEOPLEText: Editor

海外で盆栽の認知度や位置付けはどのような感じでしょうか?


僕が知っているだけでも(国内の)3つの盆栽園が閉園に追い込まれています。盆栽の手本である日本がイノベーションを起こさないと海外の盆栽も変われないという状況にあります。またこのまま日本が新しい盆栽の形を提示できなければ、海外の盆栽業界は「脱・日本盆栽」を掲げ新しいスタイルを作っていくことになるかと思います。国際的に日本の盆栽がどの様な位置づけなのか把握し、発信していくことが重要だと思っております。


海外での異文化コラボレーションはどのような事例がありますか?


海外で活動するだけで「異文化コラボレーション」になると思います。盆栽の種類も違えば、環境も違います。その中で、ミラノのギャラリーで盆栽展示、路上パフォーマンスをした時のオーディエンスの反応を見たときは、盆栽の力を再認識しました。


© 平尾成志

日本では、新しい生活空間に適した盆栽の提示にも取り組んでおられるようですが、具体的にはどのようなことを行っているでしょうか?


講義、パフォーマンスはもちろんのこと、来客がきた時のおもてなしや、四季を楽しんでもらえる様な空間演出などを行っております。


盆栽の魅力とは?


一生かかってもわからないもの、毎日何か一つ盆栽から学べることです。


bar lienでの展示 © bar lien

どの作品にも思い入れはあると思いますが、今までで最も印象に残る作品を強いて挙げるとすれば何でしょうか?


2017年2月に増上寺で作った作品です。2017年4月に世界盆栽大会という盆栽のW杯がさいたま市で開催されたとき、僕は全く蚊帳の外で呼ばれることがありませんでした。この作品は、見た目は「頭でっかち」で、「頭でっかちの上の人間がいるために若い人間の芽が摘まれてしまうが、その方々の功績は素晴らしいものである」ということを表現しています。

今年の「デザイナート・トーキョー 2019」において、kolor 南青山で展示を行う作品について教えてください。どのような内容を予定していますか?

全く違う盆栽の見せ方をし、kolorの洋服とのアンミスマッチを感じていただければと思っております。ワークショップ・パフォーマンスは今の所予定はありません。


今後の予定について教えてください。

詳しくはお知らせできないのですが、2020年に東京五輪の開催が控えており、盆栽をより多くの方に見てもらえるような機会を作っていく予定です。

DESIGNART TOKYO 2019(デザイナート・トーキョー)
会期:2019年10月18日(金)〜27日(日) 10日間

エリア:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷・恵比寿/代官山・中目黒/六本木/新宿/銀座
主催:DESIGNART 実行委員会
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
https://www.designart.jp

Text: Editor
Photos: Courtesy of the artist, © Masashi Hirao

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