シンガパサー 2016

HAPPENINGText: Fann ZJ

今年のシンガポール独立記念日は少しだけ早くやってきた。8月9日はシンガポールの51回目の独立記念日。ナショナル・デザイン・センター(NDC)は、この日にちなみ赤と白のストライプ(シンガポールカラー)で飾られ、記念日を祝う歌が(以前の修道院の3倍もの空間がある)アトリウムに響き渡り、シンガポールの優れたデザイナーたちの作品がここに集った。

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Singapasar, National Design Centre (NDC)

シンガパサー(シンガポールとマレー語でマーケットの意の“パサー”を組み合わせた造語)のカーニバルの雰囲気が会場を埋め尽くし、地元の文化、シンボル、クラフト、それから才能やデザインまでが一挙に公開された。2回目となる今回は、職人が作る地元感のあるひねりの効いたアイスキャンディー、ローカルスイーツのエブリデイ・クエ(下記参照)、ちょっと変わったシンガポール土産など様々なシンガポールをみせてくれる35のブースが出展した。

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Singapasar, National Design Centre (NDC)

シンガポール人は、海外の友人への良い地元土産が少ないとよく嘆く。スーツケースに入るサイズでは、ハイナンチキンライスの素、バクワと呼ばれる甘い味付けのポークジャーキーくらい。けれどもお土産に最適な商品は、様々な分野で活躍し、受賞歴もある地元の企業ファームの商品を扱う、ファームストアで見つけることができる。

これまでファームは、SAM(私たちはこの呼び名が大好き)の愛称で親しまれているシンガポール・アート・ミュージアムと、2010年にメイド・フォー・サムというプロジェクトで、2012年にはグレート・シンガポール・スーベニアズでコラボレーションを行っている。

その後もシンガポールのお土産リストは増え続けている。シンガポールの寒天ゼリーのアガアガを模したドアストッパーから、国民役務(全ての男性市民に徴兵制がある)に発想を得たドリンクボトル、マーライオン(半分がライオン、半分が魚の現代風の生き物)をモチーフにしたぬいぐるみの小さなキーチェーンまで、シンガパサーのためだけに作られた商品が所狭しと並ぶ。

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The booth of The Fingersmith Letterpress, Singapasar, National Design Centre (NDC)

地元の独立系書店ブックスアクチュアリーは、地元の作家、イラストレーター、詩人を特集したローカルの出版物マス・ペーパー・プレスを出品した。地元の耳寄り情報や、マリーナベイの輝かしいコンクリート高層ビルの見せかけのその内側を解き明かす小説は、シンガポールの社会と思考を新鮮な洞察で明らかにする。

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