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高臣大介

PEOPLEText: Hanae Kawai

高臣さんのガラスは柔らかな曲線や自由な形が特徴的だと思います。このスタイルを追求する理由を教えてください。

特にないですよ。好きなものを好きに作っているだけです。たぶん僕の優しさとかそう言ったものがにじみ出ているんだと思います(笑)。 僕は「宙吹き」という型を使わない手法を使っていて、これは技術的に難しいと言われています。型を使って作られたかっちりとしたものと違って、自由に形を作れる反面、そこに制約があったりもします。そこが好きですね。

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Glass Pendant Light, MUSEUM STORE, Sapporo, 2014

その柔らかな作風から北海道の自然を想像します。インスパイアされる部分がありましたら教えてください。

基本的にはあまりそういうことは考えないようにしています。自然の中で生活していると、自然の偉大さには到底叶わないし、そういうことを意識すると間違えるというか。そういった自然からインスピレーションを受けようとすると、一瞬を切り取ることはできるかもしれないけれど、自然というのは毎日違うし、それを表現することはできないと思っています。だからあまりそういうことは考えずに制作します。でも何か(影響を)受けていることはあると思います。それはあえて意識しないようにする。自然に出てきたらいいなと。それこそ、作品を見る人にしかわからないことかもしれないですけど。

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Glass Plate “Winter Light”, MUSEUM STORE, Sapporo, 2014

照明や食器だけに留まらず、ガラスを人型に積み上げた作品やガラスの音を作品としたものなど、とても幅広いですが、ひとつの分野に留まらず制作されていることに関して、何かこだわりや理由があるのでしょうか?

やはり宙吹きにこだわっているので、宙吹きでできることだったらなんでも作ろうと思っています。器なのかオブジェなのかといった違いは、僕の中では特に意味がありません。インスタレーションをすることも器を作ることも僕にとっては同じです。あと、飽きっぽいので(笑)、ずっと同じことができないっていうのもありますね。

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Glass Bowl “Vessel of Full Moon”, glass cafe gla_gla, Lake Toya, Photo: Daisuke Takatomi

それぞれの作品にメッセージなどはありますか?

制作時には、タイトルから作ります。そのタイトルの中にはいろんな妄想や物語、詩が含まれています。詩は元々好きで自分で書いています。基本的には日常のことがその中に含まれていたりとか。訴えかけたいことっていうのは特にないです。どちらかというと、そのタイトルや作品を見てそれぞれの人がそれぞれの解釈をしてくれたらいいと思っています。それを僕にフィードバックしてくれるとさらに面白いですね。「そういうことも考えるんですね~」とか。たまにちょっと解釈がいき過ぎてるなっていう時は、ブログに詩を載せたりもします(笑)。

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Daisuke Takatomi Glass Exhibition “Summer Drops.”, Clark Gallery+SHIFT, Sapporo, 2015, Photo: Kei Furuse

今年1月に札幌で行った個展「とめどなく。」ではガラスが作り出した唯一無二の神秘的な音色が特徴的でしたが、この作品の完成までのプロセスを教えてください。

アイディア自体は10年前からありました。風鈴が、音を奏でられるガラスとしてよく知られていますが、それを試行錯誤して大体10年ぐらいかけてこの作品に辿り着きました。ここに行き着くまで、それだけをやり続けるわけにはいかなかったので、色々なことを考えて他の作品も制作して、うまくいったりいかなかったりして、次第にこの形になりました。

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