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アート・アップ!2014

HAPPENINGText: Valerie Douniaux

中国人写真家の作品、反復的な都市のランドスケープや打ち捨てられた土地の写真などで溢れかえっていた前年と比べ、写真作品の存在感は顕著ではなかったが、この分野でも面白いものは見られた。最も目をひいたのはフランス人写真家フィリップ・スーサン(コンヴェルジャンス・ギャラリー/アントゥイティギャラリー3、パリ)の作品で、作家自身の作品の他にも、シュポール/シュルファス(60年代末フランスの芸術運動)に加わっていたアンドレ・ピエール=アルナルとのコラボレーションも披露している。

また、アーティストブックや図版の販売業者の出展により、来場者は手頃で優れた発見が可能になった。そのうちの何件かは暗く狭い傍の方に貧相なブースしか与えられなかったことについて、本当に残念に思う人もいるかもしれない。もう一つ残念だったのは、幾つかのギャラリーが同じアーティスト(しかも同じ作品?)を毎年出してきて、セレクションを入れ替えることにあまり力を入れていないように見える点である。このことがフェアに既視感を与え、まだ新興であるリールのアートフェアに新しい息吹を吹き込むと考えられた今回への期待にもかかわらず、失望感を増すのである。

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NFFJAPON / Nunokawa

アート・アップ!が考えを表明し、あまりにも多い露骨な商業ベースの作品を取り除くことによって、一定の成熟に達する事を願うばかりである。今年出展したヨーロッパのギャラリーの多さが示すように、海外のギャラリーも参加の用意は整っているようだ。ベルギー、オランダやイギリスなどの近隣からだけでなく、スペインやイタリア、ポーランド、ひいては日本(NFF、兵庫)やアメリカ(ウォルトマン・オルテガ、マイアミ)など遠方からの参加もあった。

リールのアートフェアは、パリ以外のフランスの都市におけるリーディング・アートフェアになったと言われている。リール自体もとても活気のある街で、毎年重要な芸術・文化イベントが多数行われている。例えば、リール3000が組織したトリポステルでのコンテンポラリーアートの展覧会など(今年はギャラリーペロタン25周年展が企画された)がある。言うまでもなくリールは、これらのイベントと同等の、フランス北部のコレクター(主にパリやブリュッセルで購入する傾向が強い)や海外のコレクターたちを惹きつけるフェアを持つに値する都市なのである。

Art Up! 2014
会期:2014年2月13日(木)~16日(日)
会場:Lille Grand Palais
住所:1 bvd des Cités Unies, 59777 Euralille, Lille, France
https://www.lilleartfair.com

Text: Valerie Douniaux
Translation: Marie Okamura

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