クラウディオ・ギル

PEOPLEText: Mariano Werneck

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Calligraphy, commissioned work for Scenography, Theatre Play “Lição nº 18” de Doc Comparato, arts on handmade sketchbook by Gabriela Irigoyen, 2011

ブラジルでこういった活動をする事を難しいと感じていましたか?ほかの場所ではカリグラフィーがより重要な役割を果たすことは簡単だと思いますか?

この活動は間違いなく広がって行くと思います。例えばヨーロッパの歴史はカリグラフィーで描かれています。ブラジルが発見された時には、アルダス・マヌティウス(イタリアの古典学者・印刷者)によって活字が既に存在しました。彼はゲーテンベルクのムーバブルタイプをもとに、鋳造金属を使ってカリグラフィーのモデルを発展させました。ここにはカリグラフィーと文字を書くことの区別はないのです。カリグラフィーを習いましたが、それはあくまで教育的な目的のためであって、アーティスティックな形、技術的な側面、異なるスタイルではないのです。アラブ諸国や、中国のようにそれが文化の一部というようなことはありません。

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Left: Silk screen poster, 50 x 70 cm, 2007, Collection piece of Contemporary Museum of Calligraphy, Moscow, Russia, Right: Calligraphy, guache on paper, 50 x 70 cm, 2007, Collection piece of Contemporary Museum of Calligraphy, Moscow, Russia

アーティスティックなカリグラフィーはあなたにどのように影響していますか?

私にとってそれは学んでいるものではなく、描くことそのものです。それぞれのドローイングスタイルは、様々な影響を与えてくれます。決まった区別があるわけではありません。例えばメディアヴィラのような象徴的な作品、必ず何かをカリグラフィーの横に描くハッサン・マスウーディー、レザ・アベディニ、そしてジョン・スティーブンスでさえも、内から現れるものの反射であり、彼らが表現しようとしているより個人的な何かなのです。描き、トレースし、線を引く、方法全てが内から現れるものです。またそこに、規律や、献身といったことがらも含まれます。アーティストたちは、瞬間によってコンテンツが変わってしまうようなもっと面白いツールを見つけるかもしれません。もちろん、文化的な違いや影響がありますが、それはとても本質的なものであり、私たち自身の声、多くの物に影響を受けるためにオープンな場所があるのだと信じています。.

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Development of a calligram, commissioned piece for Yara & Caíque Novis, Practice of Roman Capitals, acrylic on linen canvas, 220 x 145 cm, 2011

あなたの作品はこれまでにない新しいものを模索しているように思えます。それはどういったプロセスですか?

実験的であると言葉が正しいのかもしれません。先に述べたように、その過程は毎日の訓練です。正確な動きを憶えるための筋肉記憶には時間がかかりますが、習得してしまえば様々なツールを使いこなすことができます。私はほうき、針の作品の制作も行いましたし、最近ではパーティーのために友人のソファにもペイントしました。例えばイタリアの友人マッシモ・ペレロの注射器を使った作品はとても美しく、終わりなき可能性を感じました。いつもこれまで学んできたことを思い返しまた学び続けます。古いフォームをまた見直せば、そこからまた新しい発見があります。こうやって常に前に進んでいくのです。何が一番いい方法なのかをすぐにみつけようとするべきではありません。答えを追求し、考える事が大切なのです。

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