第9回 上海ビエンナーレ

HAPPENINGText: Hiromi Nomoto

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ソフィー・カルの作品「最後のとき、最初のとき」
 
フランスのソフィー・カルの作品「最後のとき、最初のとき」は2部に分かれている。一つ目は、様々な理由で全盲となった人が、最後に自分の目で見た光景を紹介している。ある人は赤いバス、ある人は家族の顔、寝室の天上の灯り。2つ目は、今まで海を見たことのない人が初めて海を見た様子を映像に収めている。

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ホー・シンタンの展示
 
香港のホー・シンタンは映画をイメージした作品を制作している。想像上の映画のポスターやワンシーンは、紅茶やコーヒーで染めた紙に描いたそうだ。短編映画も上映されていた。ユーモアのあるものや不思議なもの、彼女の映画に対する想いが伝わってくる。
 
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メイン会場ホールに設置されたホワン・ヨンピンの巨大な作品「千手観音」
 
世界には多くのビエンナーレやトリエンナーレがあり、1年のおよそ3分の2は世界のどこかで行われているのだ。今回の上海ビエンナーレでは、外灘エリアに数箇所都市パビリオンが設けられていたことが大きな特徴と言えよう。国家単位ではなく都市単位にすることで、人と人との交流をより直接的なものにしようという狙いがあるらしい。
 

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