ZAKA(ザカ)
PEOPLEText: Hiromi Nomoto
疑問に思っていることをチェン・シーシン尋ねてみた。前回ZAKAはグループ展をしましたが、一緒に展示をしたアーティストも彼を知らないと言っていました。あなたは会ったことはあるのですか?
いいえ。私も会ったことがありません。彼から連絡をもらってから1年半、彼について調べました。その間のやり取りで、彼がとても真面目なアーティストだと分かりました。そして今回の個展に到りました。
2010年に上海現代美術館で行われた中国若手アーティストのグループ展「+Follow」にはどのように参加したのでしょうか?
私が美術館に推薦しました。「こういう面白いアーティストがいます」と。彼らもZAKAのコンセプトを面白いと思ったのでしょう。
「幸福(ドーパミン)」, FRP、アクリルガッシュ, 100 x 100 x 800 mm, 2012 © 2007-2008 Don Gallery
彼が実は、既に自分の本当の名でアート活動をしているアーティストだということは考えられないですか?例えば既成の布を使って制作しているディン・イだということは?
ディン・イの可能性はありません。作品を見ると、若手アーティストだと分かるでしょう。
展示風景 © 2007-2008 Don Gallery
なぜこのように正体を隠すのだと思いますか?
若いアーティストの挑戦だと思います。若いアーティストは様々な面で厳しい状況にあります。ですからこのような方法をとったのでしょう。
「癒し(モルヒネ)」, FRP、アクリルガッシュ, 370 x 650 x 290 mm, 2012 © 2007-2008 Don Gallery
チェン・シーシンの言う通り、正体を秘密にすることは若いアーティストの挑戦である。実際のところ、私たちは全てのアーティストに会えるわけでもないし、彼らがどんな人物か本当は知らない。そもそも作品を鑑賞するのに、そのアーティストについて知っているとは限らない。どんな方法をとろうとも、重要となるのは、やはりアーティストとしての力である。1年半という期間での数々な展示への参加は、ZAKAにその力があるということだ。
展示のオープニングパーティーで、「もしかしたらZAKAも同じ場所にいるのかもしれない」「話をした人の中にいたのでは?」と考えた人は私だけではないだろう。果たしてZAKAはこの状況をどう考えているのだろうか。
Text: Hiromi Nomoto
Photos: Courtesy of the Don Gallery
