マーダーポーレン

PEOPLEText: Satsuki Miyanishi

一つの作品をつくるのにどのぐらいの時間かかりますか?はじめにデザイン全て決めてから作り始めるのですか?

パーツを通すワイヤーも一つ一つねじっていく細かい作業などもアクセサリーには重要な部分ですので時間がかかります。作品毎に違うので、1週間でもできあがらないものもあれば、ワイヤーのねじり作業などを除けば30分でできあがるものもあります。長いものになるといろんなものと並行してつくっていくことが多いですね。はじめにピアスを作って3日後に同じデザインでネックレスをつくろうと思ったり。やはり好きなパーツでないとだめなので、沢山パーツを購入してくることからはじまります。

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好きだけど使えないパーツがあったり、パーツとの出会いでもありますね。3年4年と寝かせてやっと使うパーツがあったりもします。これがとても可愛いなと思ったら、これの隣にはあのとき買った石だとかすぐにイメージが湧くんです。デザインは描かずに、実際にどんどんつくっていきます。買ってきたパーツを削ったり、色を濃くしたりすることもありますし、本当のビンテージのパーツを使うこともあります。現代物のパーツの他にも紀元前に古墳から出てきたラピスの模造品だったり、好きなものはなんでもパーツになります。コードでもいいかもしれないですね。(笑)

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THORN & LILY NECKLACE / TH-1

作品のアイディアはどこから得るのですか?

夢中になることが多いので好きな物はとことん調べたりと知りたがりで、子供のころからのそういった好奇心が旺盛でしたね。もちろん今でも新芽をみたらどきどきしたり、節足動物の足の関節を見て感動したりもします。自然のディテールからからインスピレーションを受けることが多いですが、例えばアイヌの柄のような民芸的な模様や、映画を見て作品のイメージが浮かぶこともあります。最近では「ミッドナイト・イン・パリ」を見たときは、パールをいっぱい集めてタッセルっぽくして周りをチェーンにしてみようなどとイメージが浮かびました。

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展示をする際のアクセサリーと植物のコラボレーションがとても素敵ですが、コンセプトに合わせて植物を選ぶのですか?

大掛かりになるので、担当してくれているお花屋さんと相談しながら決めていきます。テーマのイメージはもちろん旬のお花を使うということを意識しています。

ミラノやパリで展示をされたそうですが、いかがでしたか?

ミラノではミラノ・サローネでアクセサリーというよりインスタレーションを展示したのですが、場所が外にあるカフェでしたので、準備期間中に革のトカゲやバラの作品を持って行かれてしまうというハプニングがありました。パリの方は、初参戦ということもあり、大きな成果は得られませんでしたが、大好きなブランド、アンソロポロジーの方が展示を見てくれて検討いただけたことが、とても嬉しい瞬間でした。海外の大手のブランドでも作品を見てもらえばちゃんと通用するし、仕事になっていくんだ、と実感できたことが次につながる収穫でした。これまでは国内の一点物の展示会がメインだったのですが、卸しのことを考える機会になりましたし、今後はジュエリーなどにも挑戦していきたいと思っています。

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