最高で無意味な創作展
あなたが日常生活で最も些細な気になることは何だろうか?あなたがもしそれにすっかり没頭していたら、どうやって生活に変化を起こせばいいのだろうか?何か新しいモノを発明するのだろうか?
「最高で無意味な創作展」(The Superb Meaningless Invention)は7月14日~25日、7月28日~8月7日と、今年2回に渡って香港で開催された。この展覧会は、何気ない日常生活を送るための20の創作品を展示し、若いアーティストたちの素晴らしい創造性と職人技について語ることで、香港の若者たちの興味を引き人気を集めた。
この「最高で無意味な創作」という芸術グループは、視覚アーティストやデザイナー、作家、映像編集者、ミュージシャンなどの異なる芸術領域を持つアーティストたちで構成されている。彼らの日常生活を細かく観察し深く関わる姿に鼓舞され、創作品は現代アートの概念や技術を通して、私たちの毎日の暮らしにおいて最も些細な関心事について表現されている。そして芸術のコミュニケーションや発展を促進しようというのがこのグループの目的である。言い換えると、これらの作品が無意味で馬鹿げたものでも、革命という意味では素晴らしくもあり、とにかく人々を奮い立たせる価値のあるものなのだ。
“Counting Sheep, Wide Awake” Margaret Chu
眠れない時にベッドで羊を数えても役に立たない?それなら起き上がってこの創作品を使ってみるといい。この乗り物は、基本的に二匹の羊に乗るゆりかごのようなものである。羊が比較的重いため、これを動かすのに体力が必要である。羊の上で数を数えるとなるとすごく疲れて簡単に深い眠りに付くことができるので、不眠症の人には便利なのだ。
他には、部屋用のスリッパに靴が一緒になったものがある。これは通気性の良い靴を買うようなオフィスワーカーにおすすめで、特に暑くてジメジメした夏に、長時間靴を履くのが苦痛な人にとって便利である。スリッパと紳士靴をジッパーで結ぶことで、外見からスリッパと認識するのは難しい。これは私たちの生活に快適さと便利さをもたらしてくれているのだ。
“Com£puter” Pierre Pang
様々な古い部品や道具の破片から組み立てられたコンピューター。古いポラロイドカメラはウェブカメラとして用いられている。昔のダイヤル式電話はマイク、スピーカー、数字を打つものとして。古いタイプライターはキーボードになり、直接紙に打ち込めるので印刷機いらずである。ネズミ取りはコンピューターマウスに。古いテレビはモニターになり、足踏みミシンは踏むことで発電するCPUになる。これは使った者がアンティーク道具に隠された斬新で楽しい懐かしさを楽しむようにと意図されている。
“A Proposal for Food and Environment Hygiene Department- Mobile Street Sleepers’ Home” Ng Ka-chun
どの作品も、人間が手でモノを作っていたシンプルな時代に私たちを連れ戻してくれる。デザインを考え、手で創作する過程は楽しくもあり満足感が得られる。異なる背景を持つ人々の日常の関心事を日常生活や個性に変化させることで、作品一つ一つが豊かになっている。
展覧会の創作品は、人々の日常生活において、生活を面白くしようとする自然な願いから作り出されたものである。「無意味」という言葉は発明品がばかげていて役に立たないという意味ではない。実際には、発明品はむしろ画期的で素晴らしいものである。
一般的に、これらの作品の不十分さや非実現的なところがアートやアーティスト、そして観客との純粋な関係を生み出している。『無意味なものほど、明確で単純な方法で人々とより交流できるのだ』と展覧会のキュレーターであるカルビン氏は述べている。
将来もっと多くの無意味な創作品が誕生することを、大いに期待している。
The Superb Meaningless Invention Exhibition
会期:2012年7月14日(土)〜25日(水)、7月28日(土)〜8月7日(火)
会場:Exhibition Gallery / L1 Gallery
入場無料
TEL:+852 3101 2712
https://www.facebook.com/ain.apo.hk
Text: Yumei Lee
Translation: Akage Kaku