コール・ミー・ゼイ

PEOPLEText: Alvis Choi

「Call Me They」の由来を教えてください。

E:ココと私は、結構「they」のアクティビズムに身を投じているんですよ。カナダ最大のゲイ・ニュースペーパー「Xtra!」にインタビューされたのですが、彼らは私に対する代名詞として「they」を使うのを拒否していました。彼らは笑って、理にかなわないよ、と言いました。でも、それは間違っていました。「they」はポピュラーなクイア・ムーブメントであり、ゲイ・ニュースペーパーとして、読者の多くを無視することはできないことを、私は分かっていました。彼らに「they」を使わせるために、ココと私はFacebookイベントを始めました。1350人の人が、数日のうちに参加しました。説得するのに十分な数で、「Xtra!」は態度を変えました。そうして、私たちは活動のパブリックリーダーになりました。
そこで考えたのです。私の個人的なジェンダー体験のアートを全部ブログにいっしょにいれて、アートが好きな人と「they」を使う人の中心的なステーションとして使おう、と。一番いい部分は、ビデオ作品ですが、私の一番のお気に入りです。

C:そう、そのとおり。私たちが「they」という代名詞について疑問に思うところについてのビデオも作りました。なぜなら、この言葉の限界については分かっていますし、批判も持ち込みたいからです。例えば、植民地的側面について話しました。長いディスカッションをしたのですが、ぜひあなたもオンラインで見て、そして戻ってきてください。

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100 Butches #20 Qiu Jin, Elisha Lim, 2010

あなたのバックグラウンドを教えてもらえますか?もしあれば、アートはどのように勉強したのですか?なければ、どのようにアート作品の制作を始めて、アーティストになったのですか?

E:私は、アートの訓練は何も受けていません。全然、全くね。実は、出願したどの美術学校からも受け入れてもらえなかったのです。私は、レズビアン・マガジンのコミックアーティストの募集広告を見てドローイングを始めたんです。アーティストになるのって、誰かが私にそれについて話すように頼み始めたときだと思います。彼らは、私のドローイングには感動したし、読者がお互い親近感を持つ助けになるので、載せる価値があると言いました。それって、ものすごく自信になります!もっと作りたい、と思わされます。それで、それ以来個展やグループ展をカナダやアメリカでしてきたのですが、この夏には、モントリオールでの私の初めての展覧会をキュレーションしています。「2-QTPOC」というのですが、意味がわかりますか?カラーベビーのクイアとトランスジェンダー (Queer and trans people of colour baby)という意味です!「トゥー・スピリット(Two-Spirit)」に特に重点を置いていますが、カナダのいくつかの先住民コミュニティーで、女性でもあり男性でもある人のことを呼ふ呼び方なんですよ!

C:私に関しては、ずっとドローイングを描いていました。小さい頃には、同じ絵を何度も何度も、繰り返し真似っこして描いていたのを覚えています。そして、ストーリーを語るのが大好きだったので、カートゥーンを描き始めました。そして、それらのクイア・カートゥーンを載せた、クイア・ミニコミ誌や、自費出版の雑誌を作りはじめました。学歴としては私は文学を勉強しましたが、ある日仕事をやめて、アートを勉強してもっと絵を描くことが本当にしたいことだと決心したのです。それで、住んでいたフランスのトゥールーズにある国立美術大学を受験したのです。合格したので仕事をやめ、もっともっと絵を描くようになりました。でも、アートとは美術学校で学ぶことではないと思っています。アートとは、コミュニティーを持つことだと思うのです。アーティストとして、私たちはほかのアーティストたちや、何かをしているほかの人たちや、観客と話すことが必要です。アートは、このような会話から生まれるのです。私には、私の作品を見てくれて、どう思ったのか話してくれる人たちがいます。そして私からは、彼らのアートについて思ったことを言う、そういう人たちがいたから、私はアーティストになったのです。しかも、私たちはいつも同じ意見にはなりません。これって素晴らしいことです。私の一番重要なアートスクールは、コミュニティーや、仲間たち、友達、そして作品を見ているときに頭の中でディスカッション相手にしている有名なアーティストたちと言っていいかもしれません。


The Hawker, Elisha Lim and Coco Riot, 2012

最初につくったビデオは何ですか?どのように、ストップ・モーション・アニメを作り始めたのですか?

E:「The Hawker」というものです。私が「ココ、ちょっとこっちへ来てビデオを撮ってよ」と言いました。ココは、「眠いんだけど」と言いながらも、撮ってくれました。私たちは、沢山のトランスジェンダーの恋愛をストップ・モーションと明るい色調で撮りました。今、トロントやシカゴ、ロサンジェルス、ベルリン、シンガポールやソウルといった世界各地で上映されているのがとても嬉しいです!

C:そんな感じでしたね!私は、仕事をはっきり分けられるならやるよ、と言いました。エリーシャが脚本を書いて、私が撮る。そのとき、エリーシャが音楽を担当した「Uprooted」というショート・アニメーション・ビデオの製作に、かなり長い時間を費やしていました。思えば、アニメーションの製作に大分疲れていたんです。だってアニメーションを作るのは、ものすごく大変で時間がかかるんです!ストップ・モーションは、アニメーションを作るには「速い」やり方でした。また、エリーシャが書いたストーリーには一番いいテクニックに思えました。ドローイングが使えますし、私たちの日常的な関心事を紹介してリアルな生活に根ざしたストーリーを語ることができます。でも同時に、イマジネーションの窓を開くことができるものです。感動的で、個人的で、インスピレーションを与えられるもの。これを完璧にすることができたと思います。この作品には、非常に自信を持っています。夕方の活動として始まりましたが、今やあちこちの大きなスクリーンで上映されています。

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