クロスカウンター・日英アーティスト共有展

HAPPENINGText: Yuko Miyakoshi

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ピーター・ドナルドソン「A Quiet Explosion」 Photo: Yuko Miyakoshi

カプセルの展示会場は先ほどのエックスワイジー・コレクティブとは一変して、ホワイト・キューブの明るい空間。中央に置かれた立体作品はピーター・ドナルドソン氏の「A Quiet Explosion」。大砲の先がゆるやかにカーブして下を向いているのが、なんともユーモラスで皮肉っぽい。巨大な大砲といういかにも硬質な印象を与えそうなものが、ドナルドソン氏の手にかかると、本来の役目を放棄した不条理な物になってしまう。

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左:八幡亜樹「NAKI-BOTARU」 右:ピル・アンド・ガリア・コレクティブ「The Future Trilogy」 Photo: Yuko Miyakoshi

映像作品で気になったのは八幡亜樹氏の「NAKI-BOTARU」。駅のホームや森を撮り、都会と自然を行ったり来たりする感覚に落ち入らされる映像に、みずみずしい切り口で ”今、ここ” にある感覚を落とし込んでいた。自身の作品で「日常の予告編を作りたい」と言う八幡氏は、1985年生まれで東京藝術大学大学院美術研究科修士課程に在籍中とのこと。女性が日常の中で感じる「不思議な感覚」をこれからもどんどん形にして見せて欲しいと思った。

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ピーター・マクドナルド インスタレーション風景

そのほかにも、八幡亜樹氏の作品と並びまるでコラボレーションのようなおもしろい効果を生み出していたピル・アンド・ガリア・コレクティブの映像作品「The Future Trilogy」や、お菓子のようにポップな色合いのピーター・マクドナルドの絵画「Mother’s Bobbles」、松原壮志朗氏の絵画を配したインスタレーション「TELEPHONE (SELF PORTRAIT)」 など、こちらも充実した空間になっていた。

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