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ジャン・ペイリー

PEOPLEText: Emma Chi

作家のリウ・スオラーは「80年代」という本の中で、『あるムーブメントの牽引者が普通の人間へと変化する時、その過程において苦痛を伴う。』と述べている。しかし、ジャン・ペイリーはこれに当てはまらない。彼の変化というのは至って自然というべきものである。『私の初期の作品は挑戦、反抗など、少し気分を害してしまうようなものも含んでいました。しかし、2000年以降の作品は親近感が湧くような作風で、観客の鑑賞力に挑戦状を叩き付けるようなものではありません。しかし、それに対して苦痛を感じる事もありませんでした。何故なら自分自身が変化することが必要だと思ったからです。初期の反抗的な態度というのは結局、過剰なナルシシズムの結果と言えるかもしれません。』

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ジャン・ペイリーは古い映画のDVDを収集するのに夢中である。2003年から2006年の間にはその趣味と関連した「遺言」「短語」「喜悦」などの作品を制作している。『私はビデオテープやDVDを集めるのが好きです。家には3000枚程のコレクションがあります。古い映画は私の記憶とリンクします。小さい頃から50年代の「ネオン灯の下の番兵」のような映画を見るのが三度の飯よりも好きでした。家の隣が軍の敷地で、夜になると中に入って遊びました。私のような年代の人にとってはこのような映画の印象は深く残っていると思います。私の作品は今日の言語環境のもとで改めて構成と解読することを通して、言葉や叙事の構成を変化させ断片的な言葉を抽出し、それにより新たな解読を可能にしています。』

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2001年から現在に至るまで、ジャン・ペイリーは中国美術学院ニューメディア科の主任として、中国の現代アート教育事業に力を尽くしてきた。現在彼は2011年に民生現代美術館で開かれる回顧展の準備に追われている。そして彼はインタビューの終わりにこう述べた。『要するに私は作品を通して多くの問題を提起してきたが、答えはまだ出ていない。』

ジャン・ペイリー回顧展「適切な快感」
会期:2011年7月16日(土)~8月14日(日)
時間:10:00~21:00(月曜休館)
会場:民生現代美術館
住所:上海市淮海路570号F座
入館料:20元
TEL:+86 21 6282 8729
https://www.minshengart.org

Text: Emma Chi
Translation: Daiki Kojima

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