ジャン・ディン
ジャン・ディンは2007年の個展「工具」から、初期の作品に見られる都会の片隅をテーマとしたドキュメンタリー的な視点を変化させ始めた演劇的な方法を多く用いて、インスタレーションや映像等の多種多様なメディアを組み合わせた異質な空間を作り上げるようになった。それらの作品は異なる物質と元素の融合、対立、時には破壊を通して、巧妙に矛盾の溢れる現実を、独特なオーラでミスマッチであるかのような風景へと変化させている。ジャン・ディンの代表作を挙げると「工具」(インスタレーション、映像, 2007)、「大時代」(映像、写真, 2007)、「ヤブライの夢」(映像インスタレーション, 2008)、「法則」(インスタレーション, 2009)等がある。2011年5月21日から上海のシャンハート・ギャラリーのHスペースでジャン・ディン個展「オープニング」が開かれている。
今回シャンハート・ギャラリーで行われている個展「オープニング」ではどのような作品を展示しているのか具体的に聞かせて下さい。
私の新しい作品は3つの要素を含んでいます。一つ目は体操、平行棒、平均台、鞍馬、段違い平行棒等のインスタレーションです。2つ目は古典的な大理石の台座、女性パフォーマーが立つ台座、平行棒を支える台座です。3つ目は“オープニングパーティーの雰囲気”。会場には実際に2人の女性パフォーマーがいて、それは夜の店の女性ダンサーを想像させます。
「方向がはっきりしないゲーム」ミスクトメディア,2009
初期の作品の形式はドキュメンタリーフィルムに近いものでしたが、その後マルチメディア・インスタレーションへと発展していきました。なぜこのように変化したのでしょうか?また変化が起きた時期はいつですか?
私としてはこれは変化ではありません。ただ作品の必要性に従い作業を進めるのであり、最も表現が豊な方法を採用しているだけです。マルチメディア・インスタレーションは、私にとってとても心地よく自在なものなのです。
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