1980円(イチキュッパ)

PEOPLEText: Mariko Takei

「ズバリ1980円!」という言葉を聞いたり目にしたりしたら、おそらく多くの人が安さを目玉にした量販店の賑やかな店内を連想するのではないだろうか。そんなイメージを裏切らない、かつ、アートパフォーマンスの領域で自分達のものにしているのが、名古屋をベースに活躍する音楽ユニットの、その名も1980円(イチキュッパ)だ。Ustream上でライブを展開する2011年初となるシフトカバーからはきっと目が離せないはず!

1980円(イチキュッパ)

まず自己紹介をお願いします。

1980円(イチキュッパ)。くろやなぎてっぺいと釣心会(ちょうしんかい)による総合家電音楽ユニットです。ギラギラした家電量販店の世界観を音楽ライブを中心に、映像、デザイン、特売デバイス、エレクトロニカ、メディアアート、パフォーマンス、アニメーションで表現しています。現在名古屋で活動しています。

ユニットを結成することになった経緯を教えてください。

くろやなぎてっぺい(以下、K):もともと2人で7年間ぐらい一緒に、映像音楽を中心にした作品を作っていました。コマーシャルからアートまで、いろいろな仕事をしていました。僕も釣心会もミニマムな作品が好きで、どれだけ贅肉を削ぎ落とせば表現としての骨格が浮き出てくるか、そういった事を長い期間やっていました。年々、作品が鮮麗されていく一方で、何だか毒が抜け落ちているという危機感も感じてました。そんな頃、たまたま目に入った家電量販店の折込みチラシをみて「ががががっ!!!!」って思いましたね。

釣心会(以下、T):毒々しい色彩と共に捉えきれない膨大な情報が、脳みそにダイレクトにコネクトされた感覚。この武装された宣伝文句と、けたたましいビジュアル・インパクトを、別のメディアに置き換えて表現したい!って欲求にかられて1980円(イチキュッパ)というユニットをつくりました。

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ユニット名の「1980円(イチキュッパ)」の由来について教えて頂けますか?

K:そうですね、一言で言うと、お買い得感ですかね。

T:日本的な過剰な演出における高揚感を「イチキュッパ」という言葉が端的に表現していると思いますね。この言葉を聞くだけで、なんか気分がアガりませんか?(笑)日常生活でよく使用される言葉というのも、ポイントだと思っています。

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