メッシー・メスキー

PEOPLEText: Minnie Pommiegranate

それは面白いですね。では個人的に気に入っているプロジェクトについて教えて下さい。

「私は食べたものから作られる」は拒食症に関するシリーズです。拒食症は精神的な摂食障害の一つで、患者は過度の運動や食事制限、断食に走ります。このシリーズが気に入っている理由は、病気の被害者の精神を明らかにして描く事に成功しているからです。拒食症はよく誤解されることがあるので、この作品でより患者への理解を深め、見てくれた人々にもっと彼らのありさまについて共感してもらえるようになればと思っています。

junk_food_benny_8.jpgI Am What I Eat
Junk Food Benny

「ジャンク・フード・ベニー」は現代の産業化されてしまった食文化を表現しています。つまり私たちに供給される食べ物や私たちが慣れてしまった食事のあり方ですね。ベニーは現代の消費主義と甘やかされがちな部分を象徴しています。彼女自らが今の食生活を体現しているんです。さらに子供である彼女は、現在のマーケティング商法や食産業の状況の本当の犠牲者として描かれています。このシリーズの作品には面白い反響が多数寄せられ、私自身愉しませてもらっています。

ten_years2.jpg
Ten Years of Work for Every Minute on Stage

「舞台上の一秒一秒に向けての10年間の努力」は失敗、過程、訓練、準備、苦痛、決してあきらめない精神、そして”初心”を祝福した記録ともいえる作品です。この作品は、成功は決して安易に手に入るものではなく、さらに個人の性格を築き上げていく旅でもあるという事を忘れないための役割を果たしてくれています。これも現在気に入っている作品の一つなのですが、理由は以前の作品とは大きく違った新たな挑戦だったからです。さらに今回の作品には自分自身の前に立ちはだかった困難が背後にあります。実を言うとこのシリーズを作り上げた際、自分自身の中で大きな達成感がありました。

ten_years1.jpg
Ten Years of Work for Every Minute on Stage

自身に降りかかった困難から得たインスピレーションは、この曲芸の訓練風景を描いた作品群にどのように反映されているのでしょうか?

観客は、舞台上で繰り広げられる完璧で優雅な演技にはまったく見慣れてしまっています。でも私たちが舞台裏に足を踏み入れることはありません。さらに練習課程や、一見不可能な業を成し遂げるため、小さい時に行われる訓練で彼らが抱く不安などは決して目にすることはないのです。

ten_years4.jpgten_years5.jpg
Ten Years of Work for Every Minute on Stage

私たちの多くは手に入れづらいものを得る際、似たような状況に置かれています。曲芸師のように肉体的な負担を感じることはないかもしれませんが、計画を再度やり直したり、絶えず欠片を拾い集めて一からまた始める苦痛は皆が感じることですし、それはほとんどの人が最終的な結果にしか注目しないために忘れられていることではないでしょうか。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE