メッシー・メスキー
無邪気な性格と明るく陽気で幻想的な美学を併せ持つメッシー・メスキー(Messy Msxi)の作品。それらは思わず緻密に組み合わされた作品の細部までじっくりと鑑賞させる力を持っている。しかしよく見てみて気づくのは、カンバスの上に描かれているのはもっと暗くて謎めいた物語ということだ。メッシーが描くのは汚染されてしまった景色、誤りを犯してしまった瞬間、異常なもの、精神的に病んでしまった心である。
先日、ロンドン国際クリエイティブコンペ2010にて「今年度最も才能あふれる人材」として選ばれたばかり。彼女の作品はさらにファッションの分野にも進出し、様々なコラボレーションにも参加している。
今回、SHIFTは彼女の世界をより深く覗いてみる事にした。
まずはじめに自己紹介をお願いします。
私は生まれも育ちもシンガポールで、父親は中国画家でした。2006年にテマセク工芸学校でビジュアル・コミュニケーションの学位を取得して卒業しています。翌年には政府の奨学金によりセントラル・セント・マーチンズへと留学し、イラストレーションを専攻しました。現在は、独立してイラストレーターとして活動しています。
An Effort Most Futile
あなたの作品の中にはかなり首尾一貫したテーマが流れているように思います。その点について聞かせて下さい。
私の場合、インスピレーションは大抵不運やグロテスクなもののなかに存在しています。私は不機嫌さに引かれるところがあるんです。その不機嫌さが、あるテーマをより誇張して表現したい際、多くの作品に対しての新たな変わった視点を与えてくれるんです。いつも奇妙な経験や社会の変わった人々に興味をそそられます。時には気になった新聞記事や見慣れないドキュメンタリーを選んで自分なりにさらに調べて考えを固める事もあります。私個人に起こった不幸な出来事も、作品のなかに一癖もふた癖もあるようなユーモアを起こしてくれます。
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