フィンスタ
PEOPLEText: Victor Moreno
何か個人的に集めているものなどはありますか?
僕の名前の書かれているものと、ストックホルムのホームレスの男性が描いた「Satan i Gatan」(英語で「Satan in the street」の意)というグラフィティの写真を集めているくらいかな。
アーケードゲームなんかは、自分たち世代のグラフィック・デザイナーにとても通じるものがありますよね。あなたの作品の「フリップ・アウト」でも、共通するものを感じました。
あまり、テレビゲームに夢中になったりはしていません。ゲーム自体よりも、グラフィックに興味がありましたね。テレビゲームやピンボールは、すごく良いグラフィックが多いし、ピンボールは機械という視点から見ても、すごくかっこいい物だと思います。
Pink Stuff by Finsta at Gallery Steinsland Berliner Stockholm 2008
ストックホルムにある、 ギャラリー・スタインスランド・ベルリナー (GSB)で2回目の展示をされていましたね。
2年前に「ピンク・スタッフ」という展示を行って、今年はその続編の「グロッシー・スタッフ」という展示を行いました。GSBで展示ができるのは、純粋に心から嬉しい事です。
ストックホルムのアート・ギャラリーの現状はどう思われますか?GSBを選んだ理由をお聞かせ下さい。
ストックホルムの一般的なギャラリー事情について興味をもったことは一度もないし、あまり面白いとも思いません。業界は行き詰っているように思います。GSBにいる人々は全く違って、僕にはパーフェクトなギャラリーです。
“Mean mug” Sculpture in wood. From the show “Stuff” by Finsta, at Royal Cheese, Paris.
現在進めているプロジェクトは何ですか?
今は、バートンのスノーボードに絵を描いているところで、2012年の冬季ユースオリンピックまでには商品が完成するはずです。
今年から来年にかけてのプロジェクトについても聞かせて下さい。
個人的に、インドで撮影したショートフィルムを編集しているところです。ストックホルムで撮影するつもりの、他の脚本も書いている最中。あとは、来年に公開される「TPB AFK」というパイレート・ベイ(スウェーデンの検索サイト)に関するドキュメンタリーの映画のポスター、タイトルやアート・ディレクションを行っています。
最後に、読者にストックホルムを楽しむヒントをいくつかお願いします。
ヨートガータン、フォルクンガガータン、ソーデルマルムのあたりで先ほど言った「Satan i Gatan」の落書きが見れると思います。一度スタイルを覚えると、沢山の場所に描いてあることにすぐに気付くはず。
ギャラリー・スタインスランド・ベルリナー にもぜひ立ち寄って、彼らに気さくに声をかけてみてください。そして僕の本、「フィンスタ・グラフィックス」を手に取るのを忘れずに!
Text: Victor Moreno
Translation: Junko Isogawa