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越後妻有アートトリエンナーレ 2009

HAPPENINGText: Sachiko Sekiguchi

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次の日は松代エリアへ。イリヤ&エミリヤ・カバコフの「棚田」の前を、遠足らしい子ども達が楽しそうに駆けていくのを眺めながら、私も棚田を登り始めた。松代エリアは田園風景の中で作品を楽しめるエリアだ。

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小林重予の「あたかも時を光合成するように降りてきた〜レッドデータの植物より」は新潟県で絶滅する恐れのある植物を白いタイルの彫刻で表現する。森の中から現れた白い植物は、その存在を知らせるようにぴかぴかと光っていた。

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橋本真之「雪国の杉の下で」は先程の作品とは対照的に、黒くなった銅の質感が周りの環境に馴染んでいる。木に寄り添うようであり、木に支えられているようにも見えるそれは、森の中で不思議な存在感を発していた。
苔むしたキャプションが自然の力を感じさせ、印象的だった。

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きつい登り坂を上がると、木の四阿に不自然な冷凍ケースが6つ並んでいる。シモン・ビールの作品「今を楽しめ」。冷凍ケースの中には笑顔のスノーマンが収納されている。蒸し暑い天気の中、汗だくで坂を上ってきた来場者には楽しい皮肉だ。団体で遊びにきた子ども達も、冷たいスノーマンに大喜び。会期終了後、スノーマンは大地に還される予定だ。

向こうの田んぼに見えるのは牛島達治「観測所」。空と大地に伸びた管が丁度耳の高さに届き、一度に地球の音を聞くことができる装置だ。

無機質な金属の自作楽器を設置したのはチャールズ・ビラード「スペース・スリター・オーケストラ」。来場者が奏でる弦楽器の音が杉林に響いている。

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