MEGANE

THINGSText: Mariko Takei

SHIFT編集部に届いた小さな冊子。ロサンゼルス発、日本の若手アーティストの作品を集めた「Megane」だ。「お眼鏡にかなうように」という言葉から名付けられたジーンは、東京とアメリカにてアーティスト支援やデザイン全般の活動をしているスターグラフィックスの発行によるもので、発行人がメガネを愛用していることからも由来しているという。

Megane

第1号となる今回は3名のアーティストの作品をピックアップ、20ページからなるジーンのページを飾り、裏表紙にはアメリカを代表するアーティストから日本の若手アーティストへのメッセージを寄せてもらい掲載されている。小さなジーンに日本と世界を繋ぎたいという思いが沢山詰まっていることが感じられるMeganeを発行した、現在ロス在住の志村氏からより詳しくMeganeについて紹介してもらおう。

Meganeを創刊した経緯とその理由を教えて下さい。

東京にいたとき、色々な若いアーティスト達と仕事をしたり、プライベートでも色々とお付き合いをしていたのですが、彼らの作品作りへの想いや、その完成度はどれも素晴らしいものでした。東京では個展をやったとしても、そのイベント自体に目的が存在して実際に作品が売れて行くということはあまり見られなかったのです。しかし、いざロスに来てみて思ったのが、こっちではアートを買う、そして飾る、観賞するという文化がもともとあって、しかも、アーティストの経歴や実績などは特に重用視されていませんでした。まずはこの価値観の違いにびっくりしたのと、この市場を何とか僕の知っている若い日本のアーティストへ繋げられたらと考えました。でも、いきなり個展やグループ展を開催したとしてもリスクが多いので、それであれば、ジーンという冊子を作り、それを販売するという方法を思いつきました。考えたらすぐ実行ってことで、まずは、本当にお互いリスペクトしている東京のアーティスト3組に協力してもらい実際の印刷におよびました。

Megane
Anamachy Painting

今回リリースの第一号では3名のアーティストの作品をいくつか掲載していますが、テーマ等はあるのでしょうか?

今回の参加アーティストは、穴薪ペインティング長場雄花井祐介の3名です。そして掲載されている3組のアーティストからなる作品、それは、そのまま彼らのアメリカにおけるポートフォリオともなります。なので、こちらからはこういう作品がほしい、というようなリクエストは殆どしませんでした。彼らと僕とは今までの関係値もあるので、どんな作風かも理解していましたし、こちらで審査するようなことはかえってしたくありませんでした。むしろ、彼らの今までの中で1番と呼べる作品をください、とだけリクエストしたように思います。なので、皆すぐにデータを割り付けて送ってくれました。感謝です!集めて一冊にしたとき、このジーンには視覚的なつながりの他、彼らと僕との友情も感じられると嬉しいです。

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