フューチャー・フード
「イエス」か「ノー」か。あなたならどっち?
「世界中では一億人の人々が毎日お腹を空かせています。でも遺伝子組み換え食物がその解決策となるでしょうか?」
© Science Museum
ロンドンのサイエンスミュージアムは、遺伝子組み換えについて議論する特別展「アンテナ」を開催している。この展覧会では、3ヶ月の調査を通して、対立する両サイドの見解に興味深い発見をもたらすこととなった。よくある質問の中のひとつに、遺伝子組み換えの食べ物が、特に発展途上世界での飢餓への可能性ある解決策となるかどうかということがある。調査に参加した2人のメンバーをここで紹介したい。遺伝子組み換え策に賛成のロブと、そのアイディアには強く反対するラファエルだ。
育てよう
世界中の農業に抜本的な変化が必要な時がきた。
ロブ:(アメリカでのバーガーやベーグルでの遺伝子組み換え大豆をもとに)何百万人もの人が10年以上も遺伝子組み換え作物を食べているんだから、その安全性を認めるべきなんじゃない?
ラファエル:もっと自然と調和した農業の解決策を探すべきじゃないかな?
自然なアプローチ
科学者は農家と高収量品種の改良を進めている。
ロブ:遺伝子組み換えテクノロジーは、植物が野生で得ることのできない便利な特性を与えることができる。なぜ従来の品種改良方法に縛られなくてはいけないの?
ラファエル:発展途上世界には、遺伝子組み換えテクノロジーを待つ余裕はない。その代わりに農家に他の最良の方法を進めるべきなんじゃない?
世界へ供給
アフリカにいる3億人の人が、トウモロコシを主な食べ物の資源として頼っている。科学者は現在、通常のトウモロコシと、容易にビタミンの欠乏に変換する物質を含む品種との異種交配に取り組んでいる。
ロブ:遺伝子組み換えテクノロジーが、栄養失調の拡大を防ぐのなら、それを利用するべきなんじゃない?
アフリカにいる1億人の人がトウモロコシのシリアルを毎日食べている。彼らはそれを朝食に食べるだけでなく、全ての食事の基本食料となっている。問題は、健康的に成長するのに十分な栄養がないということだ。
ラファエル:遺伝子組み換えテクノロジーをいじるよりも、これまで試して試験してきた自然な方法で作物の改良をしていくべきなんじゃない?
より少ない肥料
ここ数年、農家は作物の育つ地面にクローバーを植えると土壌の窒素レベルが増えることを知っている。
ロブ:この遺伝子組み換えのお米は農家の運勢を救う肥料となっているよ。
4つ葉のクローバーは幸運をもたらすと言われているが、科学者は農家の運勢の改良と肥料使用を減らすのにクローバーの遺伝子を利用したい。
ラファエル:作物の収穫高を増やすかどうか確かじゃないのに、どうして遺伝子組み換えテクノロジーを待たなくてはならないの?
虫と戦う
害虫や病気は農家にとって悪夢だが、それを寄せ付けない最良の方法は?
ペルーの科学者は、地域のじゃがいも畑で、悪名高い危害のある害虫アンドレアじゃがいも草を鶏に食べさせている。
ロブ:(問題に自ら耐えることができる植物を利用しつつ)遺伝子組み換えテクノロジーを使用して不快な化学薬品を減らすのが理にかなっていると思う。
ラファエル:自然なコントロール方法で環境の中の不快な化学薬品を減らすのが理にかなっていると思う。
天候の変化
作物を育てるのはのどが乾く作業だ。天候が変化する中で、水がなくてもよく育つ植物が必要だ。
ロブ:主要な作物が天候の変化に耐えれるように遺伝子組み換えテクノロジーを対応させることができるよ。
ラファエル:干ばつや天候の変化に対処できる作物の品種はもう十分ある。遺伝子組み換えテクノロジーを浸かって不自然な遺伝子の組み換えは必要ないだろう。
…遺伝子組み換え食物は安全な食べ物か?
…遺伝子組み換えは「スーパー雑草」を創るのか?
…遺伝子組み換えはもっと食べ物を創るのか?
…遺伝子組み換え作物は誰が所有するの?
今度はあなたが遺伝子組み換え討論に参加する番だ。さぁ、あなたならどっち?
Text: Waiming
Translation: Mariko Takei