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ウィーン・アート・ウィーク 2008

HAPPENINGText: Daniel Kalt

様々な美術館、団体、ホワイトキューブスペースなどが、街の組織化されたアートシーンが行き着く終着点を現しているのは間違い無い。しかし、その一方で「その終着点が、パブリックアートに対しどのような貢献をしているか」というのも見物である。

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Joep VLieshout, Wellness Skull

クンスト・イン・オエッフェントリシェン・ローム (KoeR)(パブリックスペースにおけるアート)という団体は、街のアート部門の事業部としてパブリックアートの委託と資金供給を担当している。ウィーンアートウィークには、新旧問わずウィーン中に展示されている有名な作品の一部をガイドするための場所であるという側面がある。KoeRの出資による最新のプロジェクトの一つとして、オランダのアートレーベルであるジョー・ファン・リースハウトによる「ウェルネス・スカル」も、カールスプラッツにあるセセッションのビルのちょうど向かい側に先週オープンしたばかりだ。市の北側に位置するプレイターアミューズメントパークとプレイタースターンの近くで開催されている「アーバン・サインズ」というパブリックアートの展覧会も一見の価値あり。

Vienna Art Week 08
Sonia Leimer, Urban Signs

記念碑的作品である、ソニア・ライマー作の「Beton, Stahl, Glass, 2008」と書かれた大きな文字のインスタレーション「アーバン・サインズ」は最も注目に値するだろう。ごく最近に改築された駅について、遊び心たっぷりに表現している。「ウェルネス・スカル」も「アーバン・サインズ」も、一時的なプロジェクトだが、パブリックアートを特徴付けるダイナミックな潜在能力を強調している。

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Paul Kranzler. Photo: Courtesy of Hilger Contemporary

ウィーンのギャラリーもまた、このフェアにおいて重要な役割を果たしている。セイラーシュタエッテやエッシェンバックガッセ、そして6区7区にあるギャラリーは、ウィーン・アートウィーク会期中、協同開催のイベント、オープニングなどを企画した。ハイルガー・コンテンポラリーは、新しい展覧会「ニュー・クルー」においてポール・クランツラーによる写真の展示を行った。「ニュー・クルー」は、アメリカやイギリスの青年たちと並んで、オーストリアの田舎のティーンズを写したポートレート作品だ。この組み合わせは、世界中のグローバル化した若者の特徴を顕著に表現していると言える。

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Soeren Engsted

メッザーニン・ギャラリーでは、デンマーク人の若手アーティストのソーレン・エングステッドによるウィットに富んだ立体作品へのアプローチを見ることができる。「Get Your Gin / Tonics and Run」は、ばらばらの小さな立体作品で構成される非常にコンパクトな展示だ。真面目過ぎる作品や有名なアーティストの硬い動きとは違って、全く型にはまっていないのが特徴的。

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