スカム・サークル
PEOPLEText: Kazumi Oiwa
彼らの音楽を初めて聞いた時、私の頭の中にはいくつもの映像がよぎった。
札幌で活躍するScam Circle(スカム・サークル)は2006年に結成され、主に楽曲制作を担当するミズノコウジを中心に、ドラムの堀正輝、ベースの橋場進二の3人で活動しているバンドである。エレクトロ、ダンスミュージックを主に、その浮遊感漂う音楽はどこか人間らしく、札幌という地にとても合っていると思う。残念ながら今回、ベースの橋場は欠席となったが、ミズノと堀に時間を割いていただき、Scam Circleの内面の世界を少しだけ覗かせてもらう事ができた。
Scam Circleを結成する前は「CHINESE BURN」というバンドで活動をしていた彼ら。当時は今の3人とプラス2人の計5人で、ディスコパンク、ダンスミュージックを中心にライブ活動をしていた。しかしドラムの堀が、自身が本当にドラマーとしてやりたい音楽では無いと思い、CHINESE BURNを抜ける事となる。当時、ミズノもやりたい音楽があり、それを堀、橋場に伝えたことにより、現在のScam Circleが結成される事となった。
『CHINESE BURNの前は3人ともロックバンドをやっていたんです。でも僕はよくロックを知らないで、当時活動をしていました。それは小さい頃から親がクラシックが好きで、よく聞いていたし、僕自身もニューウェーブとかエレクトロニカ等しか聞いた事が無くて、ロックが身に付かなかったんですね。それでもずっとロックバンドをやっていたら、なんか僕自身、無理をしている気がしてきちゃって。このままじゃ駄目だなと思って、僕が本当にやりたい音楽をやろうと決めて、ロックバンドを辞めたんです。』ミズノ
Scam Circleの楽曲を主に制作しているミズノは、ロックのスタイルに抵抗を持ちながら、常に自身の音楽を探究していた。ミズノの音楽に対する考えは常に疑問との戦いで、ミズノは自身の音楽をどう表現していこうかと考えていたと言う。
『CHINESE BURNも、もちろん面白いバンドだったと思います。でもどんどん活動しているにつれて、CHINESE BURNの音楽の幅がどんどん限られてきてしまって、それに対してもっと違う音楽がやりたいなと僕が思ってきたんです。デジタルと歌の入ったバンドの融合が当時増えてきてて、僕自身もそれに飽きてきちゃってたし、歌が無い曲とか、簡単に言えばもっと難しい事がしたかったんですよね。そしてこの思いを堀に伝えて「こういう音楽があるんだけど、どう?」と。「だけどこの音楽をやるには、CHINESE BURNではできないよね?」という事になり、CHINESE BURNを永久的にストップする事になったんです。そして僕の、バンドだけどバンドらしからぬスタイルを持った音楽をしたい。という気持ちを、堀と橋場に伝えて現在のScam Circleになりました。』ミズノ
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