サマーケース 2008

HAPPENINGText: Julio Cesar Palacio

サマーケース 2008

2日目は、UKの若くてハンサムなポップ・ロッカーズを待ちわびる観客と共に、早々とスタート。ムービースター・ステージに登場したザ・クークスである。それに続くは、その日最も期待のコンサートとして沢山の人を集めたキムとケリーのディール・シスターズによるザ・ブリーダーズ。10年以上もツアーを行っていないバンドが、ニューアルバム「マウンテン・バトルズ」で復活。シスターズは「キャノンボール」などのヒット曲や、スペイン語の歌で、観客を魅了し続けた。

サマーケース 2008

モグワイのサウンドはどこかユニーク。サマーケースのような野外フェスティバルでも、劇場でも、このバンドは独特の環境を生み出す。今回モグワイは1997年の素晴らしいデビューアルバム「モグワイ・ヤング・チーム」を披露した。アルバム同様にコンサートもパワフルであり落ち着いている。モグワイのパフォーマンスは常に、なくてはならないものだ。

サマーケース 2008

モグワイによる幻想的なユニバース世界が繰り広げられた後、同じステージが360度変化した。ブラジルのハッピーカクテル・バンド、CSS(カンセイ・ジ・シール・セクシー)によるポップ・ロック・フィエスタとカラフルなショー。ニューアルバムを披露し、また美しいボーカルのラブフォックスのドレスアップも見ものであった。

サマーケース 2008

CSSの後は、ナッシュビル出身のロックバンド、キングス・オブ・レオン。長い間ライブで見かけることがなかった彼らは、コマーシャル・バンドとなったようだ。しかし、キングス・オブ・レオンが今コマーシャル・バンドであるということは、アンチ・コマーシャル・ミュージックのキングがシーンに躍り出たということだ。

サマーケース 2008

セックス・ピストルズ。彼らはスペインで演奏をしたことがないと聞いた。全盛期70年代後半とは異なるにしろ、とてもパワフルなショーを披露した。永遠にプレイし続けるバンドのよう。生で彼らを見ることができたのは素晴らしい機会であったし、観客みんながそう思っていたことだろう。最も人を集めたコンサートの一つとなり、誰もが最も楽しみ、ジャンプし、叫んでいたからだ。「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」「アナーキー・イン・ザ・UK」など、全てがクライマックスだった。

激しいフォールズもまた、その夜「ウォークマン・ステージ」に登場する。その後は、ネオン・ネオンによるシンセサイザーミュージックと蛍光ライトのフューチャリスティックでレトロスタイルのミックスが、人々をダンスセッションへと導いた。

フェスティバルの最後を締めくくったのは、カナダのティガによるミュージック。

フェスティバル自体の運営もとても良く、全てのアーティストが時間通りに揃い、また休憩場所も充実していた。再利用できるグラスのリサイクルも提唱されており、最もクリーンなフェスティバルでもあった。残念なことを挙げるとすれば、まだまだダンスが盛り上がっていた朝の5時に早々と終了してしまったことくらいだ。

お疲れ様!おめでとう!フェスティバルのクルー達。

Summercase 2008
会期:2008年7月18日(金)、19日(土)
会場:Parc del Forum, Barcelona / Boeadilla del Monte, Madrid
https://www.summercase.com

Text: Julio Cesar Palacio
Translation: Yurie Hatano
Photos: Julio Cesar Palacio

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