マジカル・キャンプ 2007
今夏を締めくくる野外フェスティバル「マジカル・キャンプ」が、9月1日、2日の2日間にわたり札幌で開催された。開演は13時。駐車場で車を降りてから会場に近づにつれて、リハーサルの音が聞こえてきた。会場はウィンター・リゾートとしても知られるサッポロテイネ。市内が一望できる絶好のロケーションと、野外で聞く音楽の迫力に期待が膨らむ。
今年から始まったこのイベントは、東京下北沢、大阪難波にも支店を持つ札幌では言わずと知れた老舗スープカレー店、マジック・スパイスが主催しており、音楽を楽しみながらチャリティーやエコロジーの意識を高めることを目的に開催された。経費を除いた収益金が武力紛争の影響で教育を受けられない子どもたちに、教育の機会と希望を与えるための活動を行う、子ども達のための民間の国際援助団体(NGO)セーブ・ザ・チルドレンへ寄付されるのだ。
エコをテーマにしているイベントだけあり、ゴミゼロを目指す環境NGOエゾロックからアラエール号が出動。ゴミを極力出さないように、ドリンク容器を洗浄し再利用するという試みも行われていた。しかし、会場のあちらこちらでタバコの吸い殻や空き瓶が見られた。参加者の意識を変えるイベントに育てていくのは今後の課題か。
Agharta
さて、イベントはというと、降り注ぐ強い日差しの中、ほぼ90%は即興演奏を行うという札幌で活動するジャズ・ロック・バンド、アガルタ通信のステージからスタート。マイルス・デイビスの曲をモチーフに、ドラム、ベースにトランペットからマラカス、フルートにピアニカと様々な楽器を加え独自の音楽を演奏していく。グルーヴが大きくなるに連れステージを見つめる人たちは次第に体を揺らし始め、そして演奏が終わったときには会場は大きな拍手とともに高揚感に包まれた。
Takahiro Nakagawa
続いて、メインステージ横に設置されたDJブースにてDJ歴15年という札幌を代表するDJの一人、中川貴博が会場の空気に溶けこむような軽めのジャズナンバーでスタート。更にイベントの流れを作っていく。このDJブースのデコレーションは、未来路工房を主宰する照明アーティストのマコの手によるもの。木や鬼灯(ほおずき)を使用して作られた自然素材の照明は、見る人に自然の美しさや生命力を感じさせる。見る人の心にあかりが灯るような優しい作品だ。
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