パブロ・ダカル
PEOPLEText: isella Lifchitz
未だに子供の目を持つ大人がいる。その目を見ると私は、彼らが少年や少女だった頃の顔をはっきりと思い浮かべることができる。彼らの目や笑顔には、希望のようなものが残っているものだ。それは私が彼らに見る希望でもある。パブロ・ダカルは、そんなビッグキッズたちの一人だ。
彼はミュージシャンである。自分の歌を自分で書き、歌う。ギター、フルート、ピアノを弾く。ほんの数人のために小さなカフェで演奏することが好きで、それから彼のオーケストラと一緒に歌うことも好き。また音楽を教えてもいる。上手に歌う方法、正しい息づかいの方法、特別でユニークなサウンドを生み出す方法、などのアートである。彼にとっての日常の仕事は、パピエマシェ(紙張子)に歌を包み、憂鬱な雨の日や、旅行の日のためにポケットにしまい、とっておくこと。
パブロ・ダカルは語れる物語を探してこの長旅をスタートした。真面目であることから逃げたくなり、ユーモアを選んだ。『小さな頃に歌い始めたんだ。その時の僕にとってはゲームのようなものだった。古いビートルズのレコードをかけて、それに合わせて歌っていたよ。』と、パブロはにっこりと言う。『音楽一家でね。父はギターを弾き、母は歌うんだ。』
パブロは13歳で音楽の勉強を始め、それから延々と続けた。この “孤独時代” に歌を書くことをはじめ、音楽雑誌を買い、アルバムに合わせて演奏し、ライブに出かけ、レコードを買った。これらは全て、パブロにとっての無意識で自発的な学習プログラムだった。
専門的知識を学びながら、彼はいくつかのバンドを結成し、ライブやレコード編集を始めた。しかし彼は大きな会社から声がかかるのを待たなかった。自分のアルバムは自分で編集して問題を解決することを選んだ。そして成功したのだ。
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