NIKE 公式オンラインストア

ワン・ウィークエンド・ブック

THINGSText: Julio Cesar Palacio

R.J.マカスキーがプロジェクトのスタートをこう描写する。そのプロジェクトが最近、コンピレーションブック「ザ・ワン・ウィークエンド・ブック・シリーズ」としてアクターより出版された。

フランクフルトにいたマーティン・ロレンツは、訪問してきた友人ティム・ファウルウェターに「ザ・ワン・ウィークエンド・ブック・シリーズ」へ参加しないかと声をかけた。その初めの出会いから、マーティンは他のゲストアーティスト達と提携し続け、膨大なブックを手がけてゆく。ローワン・ヨリス・マカスキー、スン・イーラーズ、キャスパー・リースホルト、リナ・ラン、エリザベス・シュルツ、エイク・コーニング、ヨシ・ソデオカなどが参加している。

マーティンはスタジオを離れ、ベルリン、フランクフルト、ニューヨークなどの様々な都市のカフェテリア、バー、ストリートにて、それぞれ48時間を過ごしてきた。通常、仕事の合間を縫って、ということになる。

この「ウィークエンド・コラボレーション」の特徴の一つは、参加アーティストがコンピューター(グラフィックデザイナーやイラストレーターにとって基本で好都合のツール)を使えないということだ。これに乗っ取り、マーティンとコラボレーター達は、コラージュやミクスド・メディアなど全てハンドメイドで作業が行われていた時代に返った。

しかしこれは、このシリーズのクリエーションのほんの一部に過ぎない。マーティンが主に意図していたのは、他のアーティスト達と手と手を取ってコラボレートし、クリエイティブの過程を共有する事だ。通常ドアを閉めて作業を行ったり、過程がスタジオの中で消えてしまったり、ただのアート作業の発展では滅多に見られないものを。最終的な作品はただの視覚的な一部分に過ぎない。

声をかけるアーティストや作品をマーティン自身が知らないというケースもある。つまりその時間がどうなるかは全く予想できず、作品に挑むただ一つの方法は即興だ。全てのコラボレーションにおいて最終結果がわからないという興奮を共にして。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE