フィールド・トリップ「ヘクトール」展
なぜヘクトールという名前にしたのですか?
ユルグ:これは言わなければいけないことですが、僕はこの機械を友人と一緒に作りました。なので、この作業は彼とのコラボレーションということになります。そして、彼とこのマシンの名前について話し合ったわけですが、このマシンについて一言で言い表せる良い名前とは何かと。
マシンを使って描こうと思った訳は?
アレックス:それは、設計の時も手で描くことはできるけどプロッターマシンを使うのと同じ事です。
ユルグ:でも手で描くより遅いよね!(笑)やはり、この作品で一ついえるのは描かれる過程を興味深く見せることができるということで、デザインを行っているときのストリームラインが表面に現れるということ。
アレックス:さらにこの装置は、レーザープリンターと似たところがあって、テクノロジーを駆使することは非常に面白いことでもあるし。あと、沢山のグラフィックデザイナーはとてもクリアーな作品をつくっていて、それは最近のテクノロジーの進歩と一致するところではあるのだけど、私たちはそんなクリアーなものを素晴らしいとはあまり思わなくて、そういったトレンドはとても退屈なものだと思うんだ。
でも、この作品は観客がこの場所にきて、描かれるところを見ることができるので、とても興味深いことだと思いうよ。
また、インスタレーションを行なって、どのようなリアクションが観客から返ってきましたか?
ユルグ:とても良かったよ。昨日はとても沢山の人が来てくれて、幾つかの技術的な問題があったんだけど、観客はとても喜んでくれたから。
日本以外の国ではどうですか?
ユルグ:やはり違うね。でもみんな前向きな反応を示してくれるよ。
グラフィティとの関係性は?
アレックス:それは特になくて、唯一共通しているのはスプレー缶を使用するくらいで、ペンを使ったドローイングもするし。そのくらいだね。
ユルグ:ストリートアートではないので、グラフィティ・アーティストとは違うんだ。ぼくたちは主にメディアベースで作品を作っているからね。
今後の予定は何ですか?
アレックス:まず、最初のプロジェクトは自身のウェブサイトかな。
彼らがいうようにコンピュータやグラフィックソフトウェアなどの普及により誰もが似たり寄ったりの質感を持った作品を作り出すことが可能で、確かにどこか無機質で、クリーンな印象をもった作品が多く見受けられる。
そういった流れの中で彼らなりの解釈でテクノロジーを利用し、アナログなものと融合したり、デジタル処理だけでなく、物理的な動きをコンピューターによるドローイングに介在させることによってどこか個性的な作品を生み出すことに成功している。そして、でき上がった作品のみならずそのプロセスも作品自体に組み込まれていることによって、より観客の体験を豊かにしている。
例えば、このマシーンが世界のどこかへ設置してネットワークが存在している場所であればリアルタイムで彼らのグラフィティを制作可能だということも考えられ、その可能性はこれだけに留まらず様々な使用法を想像せずにはおけない魅力をヘクトールは持っていた。
また彼らは他にも様々なプロジェクトに関わっており、特にウェブ上のプロジェクトでもある「スクローラブル・ランドスケープ」は非常に面白いもので、誰もが参加できるので興味のある方は是非ご覧になって欲しい。
Exhibition by HEKTOR with FIELD TRIP
会期:2006年4月14日(金)〜16日(日)
会場:ギャラリー Information
住所:東京都江東区東雲1-9-17 CODANキャナルコート3街区 mYwaY 2F
TEL:03-3532-1901(トリコ)
入場無料
https://www.bytrico.com/info/
Text: Yasuharu Motomiya
Photos: Yasuharu Motomiya
