ヤーン・ボンビング
HAPPENINGText: Yumico Miyagawa
天気の良い晴れた日に外を歩いていると、急に自分の街がいつもより素敵に見える事に気付く。木々の色はもはやただの緑と茶色ではない。道行くところにある銅像はマフラーを首に巻いたりやニット帽を頭にかぶりだした。駐輪用の柱には怪獣の足が生えている。見回すと町中の物がかわいらしい編み物のカバーで覆われている。
ヤーンボンビングは毛糸を使ったグラフィティ、又はストリートアートのひとつである。まだあまり人々に知られてはいないが、ゆっくりと確実に名を広めている。
ここカリフォルニアのサンノゼでは数年前から街中が編み物で飾られてきた。サンノゼではグラフィティの影響というよりは地元のアートショーの一部としてヤーン・ボンビングは始まった。サンノゼ・ヤーン・ボンビングのリーダーは数年前にサンノゼで最大規模のストリートアートフェスティバルのために参加者を募集し、メインとなる通りを毛糸で飾りつくした。道行く人達は始めはなにか変だと感じたが、次第には色鮮やかで独創的な形をした毛糸に魅了されていた。お祭り気分も後押しをして、誰もこの新しい形の「グラフィティ」に嫌な印象をもった素振りはなかった。
この後から、イベントの有無にかかわらず、街中の物が毛糸で飾られるようになってきた。アートイベントを通しての立派なデビューがよかったのか、こういった飾りが市なとによって撤去されてしまうことはめったにない。
サンノゼを訪れるときにはヤーン・ボンビングによって飾られた街を歩き回ることをぜひ楽しみにしていただきたい。
Text: Yumico Miyagawa
Photos: Michael Foley
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