「富裕への無秩序:デザイン・イン・ニューヨーク 1974-1984」展

HAPPENINGText: Garry Waller

1974年から1984年の間はニューヨークにとって不穏の期間、新しい生き方の期間であった 巨大な経済不況への地点でほぼシテイが認める程の破産状況、膨大な数の失業者、犯罪、ドラッグ乱用そして多く広まった典型的な暴力団における無法状態がニューヨークをらせん降下へとおいやったのだった。

その時代のタブロイド紙はニューヨークが向き合っていたいくつかの事実をとりあげている。1977年の停電は多く知られた1980年のジョン・レノンの銃殺を駆り立てることとなりその事件はその年ニューヨークでの1826人の殺人犯に脚光を浴びさせることとなった。


Wall of tabloids between 1974-1984

特徴のある「タクシー・ドライバー」や「ミスター・グッドバーを探して」のような映画は実存した埃っぽい現実や社会の不安に光をあてた。これらの映画が風合いを作り出すために依存した美の本質はニューヨークでは非常に明白であった、またこの反体制と低俗な視角色調範囲は音楽、デザインにファッションと言う範囲にまで反映を及ぼしたのだ。その時代の美は「両親がよくおもわないもの」によって磨かれると言われた。そのためかアーテイスト達は「団結」や「安全」と考えられるものは何であっても避けたものだったし、彼らは都心マンハッタンで安さと工業収入の利点を手に入れるには充分すぎる程幸運であった、たびたび広いロフトスペースも殆ど何の見返りも無しに引き受けることさえもできた。


Blondie through the years

もしかすると馬鹿っぽく聞こえるかも知れないが、そんな注目をあびた時間が大分前に過ぎ去ってしまったことや、こんにち私たちがよく知る衛生的で安全なニューヨークに移り変わってしまったっことへのほんの少しの悲しみを感じずにいられない。なぜなら私はテレビから日常のように流れてきたもしも愚かだったならそれに巻き込まったかもしれないような無法状態、また冷血な場所で生き延びることができたなら幸運であっただろうニューヨークの映像とともに育ってきたのだから!

基本的なこの映像はこんにちまでにきれいさっぱり取り除かれてしまった。ニューヨークに住むほとんどの住民達は、単なる流行とされて広まり変わり行く創造性と同様に、あのとき多く広まった犯罪や不穏な状況とを忘れ去ってしまうのだろう。もしくは、単にあの時の観点からみて、いつが自由の時代なのかすらわからないまま終ってしまうのだろう。不思議でたまらないのだが、この時代がどのようなニューヨークシテイであるべきなのか、また芸術がかつてしたように団結してアメリカがルートを持ち成功するのだという“魂”が、どれだけ浄化によって消滅してしまったのか考えずにはいられない。


Sketch by Stephen Sprouse, 1984

展覧会において私は個人的に、そこにあったアートとデザインの展示に平行したオーディオビジュアル構成要素を見たかった。音楽やビデオがこのショーとは別のレイヤーに加えられていたことが明白だった。それでも目にする価値はあったのだけれど!

Anarchy to Affluence: Design in New York, 1974 -1984
会期:2006年1月10日(火)〜4月2日(日)
会場:The Arnold and Sheila Aronson Galleries
住所:66 Fifth Avenue, New York, NY 10011
TEL:+1 212 229 8919
入場無料
https://www.parsons.newschool.edu

Text: Garry Waller
Translation: Yukino Kotake
Photos: Garry Waller

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