無印良品 ニューヨーク・ソーホー店
PLACEText: Tetsuro Mise
その日本特有の簡潔なデザイン、環境に配慮された7000をも超える製品群、そこに必ず自分らしい生活にとけ込める製品が誰にでも見つけられる無印良品に、デザイナーに限らず、多くの人々の関心を引き起こさせる。
ニューヨークに住んでいる日本人は『いつ無印良品はオープンするの?』『どこで無印良品の製品は買えるの?』といった無印良品に関する質問を必ず一回は受けたことがあるだろう。そして個人的な経験から言うと日本から最も喜ばれるお土産の一つが無印良品である。
ニューヨーカーが待ちに待った無印良品が、昨年11月にオープンした。様々なスタイリッシュな店が乱立するSOHOに店を構える無印良品は、チャイナタウンに近いブロードウェイ沿いに、シンプルな表構でたたずむ。天井の高い店内は2000以上もの無印製品が整然と陳列され、日本のストアと同様シンプルなインテリアでまとまっている。
無印良品の強みはそのシンプルさ誰にでも使える明確さ。なるほど店内を歩いていると、実用性、機能性に優れたその製品の前で、様々な言語でのリアクションが聞こえる。それとともに日本から発信された無印良品が提示する価値観に多くの人が共鳴しているのが分かる。
僕が訪れた水曜日の夜7時頃は週末の忙しい店内とは違い、のんびりと製品に接することができる。
特に生活の基本となるハウスウェアーが好評でお客様からの意見を参考に品揃えの拡充を図っていると、広報の中西さんは言う。第一号店であるSOHO店を皮切りに新設したばかりのレンゾ・ピアノが手がけた話題のニューヨーク・タイムズ・ビルディングにも新店をオープンする予定だ。
無印良品のアメリカ第一号店のオープンはほぼ時を同じくしてオープンしたのユニクロとは大きく違い、物静かな幕開けではじまった。しかしその息は消費主義が繁栄するのと同期し、また対峙しながら長く生き続ける気がする。
省いていく美意識が多種多様な生活に徐々に浸透していくその中にMUJIの姿勢があるのかもしれない。
MUJI SOHO
営業時間:11:00〜21:00(日曜日20:00まで)
住所:455 Broadway, New York, NY 10013
TEL:1 212 334 2002
https://www.muji.com
Text: Tetsuro Mise
Photos: Tetsuro Mise