第8回 文化庁メディア芸術祭

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya


「3Minutes2」エレクトロニック・シャドウ

一方、エレクトロニック・シャドウの「3Minutes2」は凹凸のある立体の空間にプロジェクターで空間的な映像を投影し、そこで映像として現れた男女がストーリーを展開していくというもの。立体的なものと平面的なものが渾然一体となって可視化される不思議なインスタレーションであり、現実にある凹凸を映像表現に利用するという新しい可能性を感じさせるものであった。


「リキッド・ビッツ」加藤太一/じゅげむ

他にも加藤太一/じゅげむによる「リキッド・ビッツ」や江口拓人による「ラマーズ4」など会場には所狭しと作品が展示されていた。


「ラマーズ4」江口拓人

メディア・アートという包括的で大きな枠組みの中には静止画、映像、インスタレーション、アニメーション、マンガなど多種多様な表現の作品が取り扱われ、一体メディア・アートとは?という疑問を起こさないまでもないが、公共の場で大規模に議論されることで、この手のアートやメディアに対する認識を高める機会を一般的に促す上で、文化庁メディア芸術祭は重要な役割を担っている。アートというものが社会を反映するという要素を持ち合わせているとすれば、先端芸術が可能性を押し広げる上でのボトムアップとして欠かせないものである。また、このような作品に触れ認識の幅を広げることは純粋に楽しめ、知的好奇心を刺激する機会である。

会期は、2月25日から3月16日までということもあり、このテキストがでるころはまだ会期中なので機会がある人は是非足を運んでみてはどうだろうか。

第8回文化庁メディア芸術祭受賞作品展
会期:2005年2月25日(金)〜3月16日(水)
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL:03-3280-0099
主催:文化庁・CG-ARTS協会
https://plaza.bunka.go.jp/festival/

Text: Yasuharu Motomiya
Photos: Yasuharu Motomiya

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