アーバン・ドリーム・カプセル
2週間、4人の見知らぬ人間の生活が、シンガポール中にさらされる。どこかで聞いたことのあるような話だと思う人もいるかもしれない。確かにそれはちょうど、涙を誘うシーンのない、映画「トゥルーマン・ショー」のようなものだ。
睡眠、食事、髭そりなど日常生活の全てが、公共の場で人の目にふれる。2000年に「ブルー・ボーイズ」と題した前回のインスタレーション以来話題になったこのプロジェクトが今回、注目を集めるパフォーマンスとして、ラッフルズシティ・ショッピング・モールのウィンドウに “ディスプレイ” された。
4人の24時間がさらされるなんて、どういうものなのだろう。 15日間ずっと、ウィンドウディスプレーの中に閉じ込められ、その改造されたスペースは、現代の快適な住まいのように、コンピューターから、ベッド、キッチン、葉の形をしたステッカーが “あの” 位置に貼られた、期待をかき立てる透明なシャワールームまでが備え付けられている。
メルボルン・フェスティバルの「エイジ・アワード」や、ベルギーのヘントで行われた「ヘンテナール・アワード」で賞賛された、この「アーバン・ドリームカプセル」は、シンガポール芸術祭の一環として行われ、普段は劇場などに足を運ばない人達にも親しみやすいアートプログラムの一部だった。
実際このプログラムは誰でも気軽に見る事ができる、というのが街の噂になり、シンガポールで大ヒット。音楽に合わせて踊り、正気でないおどけたしぐさ、原始人のような服を着てぬいぐるみを抱きしめるなど、ユーモアたっぷりな振るまいで、4人は見に来た人を必ず楽しませた。
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