メイド・バイ・ハンズ
PLACEText: Sari Uchida
ニットの動物や小物を得意とするフィンガーピッグはクローディアの説得の甲斐あって、作品をここの店にしか置いていない。
動物をモチーフとして作品づくりをするベナの作品2点
左のジャケット(背中にキリン)£60 右のピンク地に鳥のスウェット £40〜45
動物柄をブロックプリントでデザインに取り入れるベナは新コレクションでキリンを背中にプリントしたジャケットや、つばめのような鳥をモチーフにしたスウェットシャツを出している。
プロヴォスト&ファザー。毛布とセコハンのシーツを使った、リバーシブルなジャケット。£150
デザイナーのロール・プロヴォストはジャケットデザインを専門とする。リッツ・ホテルで使用されたベッドシーツからフェリー船で使用された毛布まで、ありとあらゆる素材を使用。どの作品も世の中に一つしか無いものばかり
クローディアは自分がキャンバーウェル・カレッジ・オブ・アートで教鞭に立っていた時の仲間(レイチェル・カトル)や同窓生の作品を扱っていると答えた。マーケットやトレードショーで気に入った作品を出しているデザイナーに直に声を掛けて発掘したこともあったが、今ではショップのウィンドーを思いのままに飾っているうち、通りかかった人たちが飛び入りで作品を持参することが多いのでマーケットからは足が遠のいている。
取り扱いデザイナーの一人、リモート・コントロールによるスウェット
店内ではデザイナー同士の火花が密かに飛び交う。懐かしく思える花柄やチェック柄の素材を使うオールド・スカートは彼らのデザインの要である布地をどこから仕入れてくるのか、決して他言しない。
『彼らと知り合って1年半になるというのに…。そのうち教えてくれる日がくるでしょう』と微笑むクローディア。同じパターンでも同じ布が使われることが殆どないので、多くは一品ものになる。
大量生産に真っ向から対立し、プロセスを大切に作品づくりをするアーティストを扱うクローディア。それぞれのデザイナーの個人的な発展と共に、まだまだ発展途上の「メイド・バイ・ハンズ」の店自体が今後どのように変わって行くのか、楽しみだ。
Made by Hands
住所:117 Redchurch Street, London E2 7DL
TEL:+44 (0)20 7613 0934
Text: Sari Uchida
Photos: Sari Uchida