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DJ エドゾン

PEOPLEText: Ania Markham

ジョセフ・アバジアンは「ファット・ビーツ」のオーナー。ニューヨークとロスに同名のショップをオープンさせ、成功。そして次なる開拓を夢見て、アムステルダムに上陸したのが、1995年のことだ。「今でも謎なんですけど、今だにどうしてジョセフがアムステルダムを選んだのか、誰も知らないんですよね。いつか必ず、明らかにしないと」。

『当時、レコードは全てファット・ビーツで買っていたんですけど、お店に通ううちに、ビックス、SP、ヤン、リカルド、マスタ・リーと知り合いになりました。そしたらある日突然、休暇の季節に入ったから人手が足りない。スタッフが居ない2週間、うちで働いてくれない?ってお願いされちゃって。僕も、二つ返事で“いいよ”って言ってしまい、それ以来、ずっとファット・ビーツで働いています(エドゾンは現在、ショップのマネージャーとして活動)』。

ファット・ビーツの人気が高まるのと比例するように、エドゾンの名もアムステルダムで周知されるようになり、ヒップホップDJとしての地位を確立した。『僕にとってファット・ビーツは、ミックステープの制作を後押ししてくれた存在です。助けてくれたから、僕もお礼に力を貸すといった、持ちつ持たれつの関係ですね。利潤を求めるだけではなく、独立したヒップホップショップになるのが目標でした。例えば、ロンドンのボンゴス氏なんかはそれの好例で、彼のショップ自体がコミュニティーそのもの。そしてファット・ビーツも今では、アムステルダムのコミュニティーです。もしかしたら、ヒップホップに精通した人たちや、音楽に興味がある少年達を対象に、僕達はアピール作戦を展開しているんだな、と解釈される人もいるかもしれませんが、ファット・ビーツは、ヒップホップに何かしらの知識を持つ人たちのためのコミュニティーです。つまり、音楽を売り込みたいのなら、良いバイヤーが必要だ、ということです』。

以前、そのボンゴス氏の下で働いていたクレイグ・ソロとの出会いも、エドゾンにとっては重要だ。『クレイグとは、とても良い状態で仕事をさせてもらっています。協力し合ってきたからこそ、膨大な数のレコードを売りさばくこともできました。誰もが知っているレコードも、あまり知られていないレコードも、何だって今は手揃えていますよ。そして、このセレクションには、絶対的な自信がありますね。レコードを選ぶのはもう、見極める力と、匂いを確かめるという作業だと思っています。(ドイツ、アメリカ、ロンドンからなどの)観光客も多いですが、ここまでのポジションを手に入れるには、自分で言うのも何ですが、相当努力しました』。

ダイレイテッド・ピープルズや、ビッグ・アル、ロード・フィネッセ、グル、ロスト・プロフェッサー、カンパニー・フロー、アルコホリックス、ジャンキーズ・ブラス・ショートカット、ヴィンロックなどの著名人が、お忍びで訪れる店としても、ファット・ビーツは有名だ。『ムステルダムでライブがある時は、必ずと言っていいほど、ファット・ビーズに寄ってくれるようになりました。この街では、唯一のラップ専門店ですからね。見えないチェーンで繋がれているような感じで、ニューヨークのファット・ビーツに行ったアーティストが、そこで出会ったアーティストにアムステルダム店を紹介されて、アムスに来た時に立ち寄ってくれているみたいです。休暇でアムステルダムに来た時も、プライベートで顔を見せてくれる人もいますよ。ジュラシック5のチャーリー・ツナも、奥さんを連れて遊びに来てくれました。その時は、レコードを何枚か買ってくれましたね。嬉しかったです』。

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