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青木正一写真展「フルーツ:トーキョー・ストリート・スタイル」

HAPPENINGText: Luca Ionescu

青木正一の写真展「フルーツ:トーキョー・ストリート・スタイル」がパワーハウス・ミュージアムで開催されている。本展では、1997年から2002年にかけて東京で撮影された、活気とエネルギーに満ちた作品が紹介されており、どの写真も、世界中のファッションデザイナーに影響を与えた、日本の過激なファッション・サブカルチャーをとらえたものばかりだ。シドニー・フェスティバルの、ビジュアル・アートというプログラムの一貫として紹介されるこの展覧会は、写真家・青木正一にとっては、初の本格的な展覧会だ。

東京都内でもファッショナブルな地域とされる原宿のストリートファッションに、青木氏が注目し始めたのは90年代中盤。若者達のお洒落のしかたが、目まぐるしく変化をしているのに気付いたのがきっかけだ。ヨーロッパやアメリカのトレンドに流されるというよりも、例えば着物、帯、下駄といった日本特有の伝統的な衣服の要素を取り入れ、それらをハンドメイドの製品、古着、またはブランド品に、それこそ“DIY”精神で溶け込ませるのだ。

青木氏は、1997年に月刊誌「FRUiTS」(フルーツ)を創刊。現在は、原宿の新鮮なファッションをフィーチャーするカルト的なファッション誌だ。今回の展覧会で紹介されている作品も、この紙面で掲載されたものだ。パンク、サイバー、デコラを含む紙面で見受けられるスタイルのいくつかには、シンプルな装いが、おもちゃやプラスチック製のジュエリーで飾り立てられており、それらが互いにぶつかり合う音が、聴覚的な質感をファッションに持たせている。アニメ「セーラームーン」に影響された服装もまた、人気のあったファッションのひとつ。ここ2年程はエレガントなゴシック風ロリータファッションが勢力を強めていた。黒いフリフリのレースがついたクリノリンスカートに、コルセット、そしてこうもりの形をしたハンドバックを手にしたお人形さんのような “ロリータ” 達が、原宿の街を闊歩していたのだ。

個人的にオリジナルの工夫を取り入れたり、手作りの服装を楽しむということには、各々の “ルックス” が各々が支持するアバンギャルドのデザイナーやブランドがあることを示唆している。青木氏が撮影したDIY色が濃いカラフルな、ベイビー・ザ・スターズシャイン・ブライト卓矢ヱンジェル、20471120、OHYA(オーヤ)やクリストファー・ネメスの服やアクセサリーも、同時に展示される予定だ。

本展覧会では、青木氏が撮影した70点以上にも及ぶポートレイトや、ファッションの写真を紹介。本展は、原宿のスピリットを賞賛し、日本のファッションと人気のカルチャーが生み出す刺激的な瞬間を逃さないのである。

FRUiTS: Tokyo Street Style
会期:2002年12月21日〜2003年7月27日
会場:Sydney Powerhouse Museum
住所:500 Harris Street, Ultimo, Sydney NSW 2007
TEL:+61 612 9217 0111
http://www.phm.gov.au

Text: Luca Ionescu
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Courtesy of Sydney Powerhouse Museum © Shoichi Aoki

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