バーチャル・アーキテクチャー展

HAPPENINGText: Terevision Ruiz

現実はフィクションを超越しているとよく言われるが、今回紹介するのは、それとはまったく逆のもの。11月からマドリッドにあるコンデ・ドゥケ文化センター内のメディアラボ・マドリッドで行われている展覧会では、ビデオ、デジタル写真、インタラクティブ装置など、様々なメディアをフィーチャーした仮想建築プロジェクトが紹介されている。メディアラボ・マドリッドは、最新技術、電気通信の研究、制作、流通を行いデジタル文化を発信している施設だ。


Marcos Novak “Liquid Architecture”

ミカエル・ベネディットとマルコス・ノヴァクは、90年代初頭に「リキッド・アーキテクチャー(液体建築)」を発表し、仮想空間建築の物理的な基礎を作り上げた第一人者。「過去のものの見えないかたち」と題されたART+COMのプロジェクトは、ベルリンの象徴的な場所を通じて、過ぎ去った時間を研究するというもの。街がどのように変貌を遂げたのかを確認することができる。


ART+COM “Invisible Shapes of Things Past”

建築物がその時代や空間を作り上げ、その他の目には見えない空間と相互に連結し、重ね合わせるというエネルギーと変化の状況を作り上げたのがソニア・チッラリだ。オランダの建築事務所MVRDVは、自国の風土に関連した多種多様な実際の消費統計(水、電力…)に結びついた、発展を続ける街「メタシティ/データタウン」というプロジェクトを発表。アートとテクノロジーの間で活動を行う芸術集団、コニックは、バルセロナという都会での4人の移民女性の体験をフィーチャーしたプロジェクトを発表した。


MVRDV “MetaCity/Datatown”

どのプロジェクトもメディアやデジタルの使い方が素晴らしく、目を見張るものばかり。複雑さが感じられる街や、決してあり得ない形をした世界は、コンピューターから得ることができるツールによって作り上げることができるのだ。実際にある素材など、ここでは不必要なもの。バーチャルな楽園は、それこそ、バイトごとにでき上がるのである。

Virtual Architecture Projects
会期:2002年11月8日(金)〜2003年1月7日(火)
会場:Conde Duque Cultural Centre
住所:11 C. del Conde Duque, 28015 Madrid
TEL:+34 912 19 1157
https://www.medialabmadrid.org

Text: Terevision Ruiz
Translation: Sachiko Kurashina
Photos: Courtesy of MediaLab Madrid, © the artists

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