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アート・ウォール・ステッカー

THINGSText: Jeremie Cortial

このイコン的な環境の中でもなお、自然はその居場所を保てているのか?という疑問の答を求めたのが、ビンセント・ラボムのプロジェクト「OKデコ」だ。今日、装飾的な視点から言って、自然が持つビジョンよりも、ビジュアル的に素晴らしいものは無いと言っても過言ではない。そして、花や果物の形に影響を受け続けているのは、インテリアデザインなのだ。その点に注目した彼は、今日の文化的な状況に最適と思われる、自然なデコレーションを作り上げたのである。


OK Deco by Vincent Labeaume, 2001, Courtesy of Agora production Distribution

このアイディアを形あるものとするために、ラボムが行ったのは、イメージと形を統合的に全面に出すこと。この作品のプロセスを明確にすることは重要であったし、またこれは、今日の文化的環境に密接したものだ。最初の模様は、はがきに描かれていた植物の一部を削り、架空の火星の植物として完成させた。そして2番目に完成した模様も、この消費社会という要素が取り入れられている。基本的な素材となったのは、レモン味のヨーグルトが入った容器だ。実際にそのヨーグルトを食べたラボムは、そのヨーグルト会社の名前を隠し、シンプルで新しいデザインと色を加えた。このデザインが壁に貼られたら、きっと忘れられた植物がある空間にいる喜びを再び感じることができるだろう。


Go Home by Stephane Calais, Copyright 2001

この「アート・ウォール・ステッカー」というプロジェクトでは、著明なアーティストのオリジナル作品が、求め易い価格で供給されているだけではなく、社会とのつながりにも関連している。今のところ、このステッカーパックの販売は、メールで受け付けている他、イベント開催中はカタログも配付されているので、カタログを通じての注文も可能だ。これは、アーティストに直接利益が行くようにするための、プロジェクトの配慮によるものだ。セットの価格は各2万8千円。ただし、ダニエル・ビュレンの作品は、再編集がなされたので4万6千円での販売だ。

東京デザイナーズブロック 2002では、アニエス・b、青山ブックセンター、UNカフェ、IDEEパシフィッックなどで開催されたアート・ウォール・ステッカー。次回は、パリのマグダ・ダニーズ・ギャラリーで12月7日から開催される。

Art Wall Sticker
住所:8 Route de Besancon, 39600 Arbois, France
TEL:+33 (0)3 8466 1607
artwallsticker@wanadoo.fr
https://www.art-wall-sticker.com

Text: Jeremie Cortial
Translation: Sachiko Kurashina

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