オットー・グリーンスレード
PEOPLEText: Mayumi Kaneko
今月のカバーデザインを制作してくれたのは、ロンドン在住のマルチメディア・クリエイター、オットー・グリーンスレード。彼のサイト「CHAOTIC」ではユニークなインターフェイスと共にインタラクティブな作品を数多く見ることができる。ウェブデザインを始めて1年半にして、様々なアイディアを実行している彼に、イギリスのウェブ事情などについていろいろとお話を伺いました。
まずはじめに自己紹介をお願いします。
オットー・グリーンスレード、28歳、ロンドン在住です。
最近の活動について教えてください。
現在は、ロンドンの中心部にあるNOOMEDIAというマルチメディアカンパニーでクリエイティブディレクターとして働いています。最近関わっているプロジェクトは、BACARDI BREEZERの新ウェブサイトや、LYCOSのショックウェーブゲームのグラフィック制作、オンラインUKクラブガイド、REHYDRATEの企業IDのリデザインなどです。
ウェブデザインの仕事をするようになったきっかけは何ですか?
ウェブデザインの仕事をするようになったのは一年半前からで、それ以前は、ソーホーのスタジオでポスターやCD、ビデオのジャケットなどのデザインをしていました。試行錯誤を繰り返していろいろなことを学び、5年前にマックを買って、使い方をマスターしました。デザインの学校に行ったこともないし、教えてくれる人もいなかったので、全てが自分でやってきました。ものすごく大変でしたが、今となっては、それがものすごく価値のあることだったと実感しています。
次の大きな変化となるものを使って一歩前へ進むためにデザイン産業について勉強していたこともあって、フラッシュを学びました。インターネットがすごくエキサイティングなメディアだということを発見して、インターネット関係の何かをやりたいと考えていました。HTMLは、制限的で予想できないものだと分かっていましたが、フラッシュのパワーを知った時、次に学ぶべきものはこれだと思いました。その頃はすでにパーソナルなブランドとしてCHAOTICを立ち上げていて、「MAKING SENSE OF ABSTRACT DESIGN」という本の中でも紹介されたりしていましたが、インターネット上でアイディアを表現する場として、CHAOTICを立ち上げました。
CHAOTICについて教えてください。どんなことをやっているのですか?
CHAOTICは、僕の個人的なオンラインポートフォリオです。僕にとってはそれ以上のものですけど。僕がやりたいことを制限なく実現するための手段です。かなりの反響があって、みんな僕の作品を楽しんでくれているようです。今、全く新しいインターフェイスデザインを考えています。それをいつ実行に移すか、それが現在のインターフェイスよりも面白いものになるかは分かりませんが。
ウェブではインタラクティブな作品を数多く発表していますが、作品を制作するうえで心掛けている点は何ですか?
純粋に、美的に心地よくて面白いものをデザインすることが好きなだけです。カラースキームで遊んだりすることもあります。心掛けている点は、ウェブからの抜粋になりますが「単純+複雑=美」です。
デザインにカタカナを使ったものがありますが、カタカナをどのように捉えていますか
日本の言葉は、ビジュアル的にすごく面白く、作品に特別なものを与えることができます。言葉の意味が分からない人にとっては、神秘的な要素、別の次元があります。アートでは、それを認識するものを理解する必要はないと思います。なので僕は、自分の作品に対しては説明を付けていません。それを見る人がそれぞれの解釈を持ってくれればいいと思っています。
今回、SHIFTのカバーデザインを制作していただいたのですが、何をイメージし、どのように制作したのですか?
「SHIFT」という言葉がベースになっています。それが僕自身にとって文字的に何を意味するかを考え、一定の動きと変化という基本的なアイディアに戻り制作しました。最初は魚の動きのようなシンプルなウェーブの動きからスタートし、時間をかけてより複雑なアニメーションへと発展させていきました。何度もコンセプトを練り直し、クリアーなアプローチで必要のない要素を取り除き、この形になりました。
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