デザイナート トーキョー 2022

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

東京の秋のイベントとしてすっかり定着した、街を舞台にアートとデザインを身近に感じることができる祭典「DESIGNART TOKYO 2022」(デザイナート トーキョー)が、10月21日から30日にかけて開催された。コロナのパンデミックも徐々に落ち着き、街にも人出が戻りつある2022年の秋、第6回の開催となる今年は、約300名のクリエイター&ブランドが参加し展示数は92にも及び、10日間の会期中のべ約20万人の来場者が訪れた。


インフォメーションセンター(ワールド北青山ビル)© Nacása & Partners

デザイナート トーキョーは、東京からクリエイティブを発信し産業化することを志す、様々な分野で活動する5組6人の発起人によって2017年に立ち上げられたプロジェクト。世界屈指のミックス・カルチャー都市・東京を舞台に、世界中からアートとデザイン(建築、インテリア、プロダクト、ファッション、テクノロジーなど)が集結し、ショップやギャラリーなど様々な場所を利用して多彩なプレゼンテーションを行う革新的な取り組みだ。今年のテーマは「TOGETHER 〜融合する好奇心〜」。


「NEXT CIRCULATION」展 インフォメーションセンター(ワールド北青山ビル)© Nacása & Partners

イベントの顔となるインフォメーションセンターとして、毎年多くの来場者を迎えるワールド北青山ビルでは、「NEXT CIRCULATION」展と題し、自身もアップサイクル作品を手掛ける注目のデザイナー板坂諭の空間演出の中、台湾、オランダ、フランス、イスラエルなど、国内外の若手から著名デザイナーまで、サステナブル×テクノロジーをテーマに世界規模の環境問題解決に挑む意欲的な作品が集結。


吉添裕人「Orbit」「NEXT CIRCULATION」展 インフォメーションセンター(ワールド北青山ビル)© Nacása & Partners

台湾デザイン研究院(TDRI)の特別企画では、回収ガラスを用い、マウスブローのガラス型を使用して結晶の形状を作り出したものや、廃棄漁網を使った超軽量のアイウェアなどサーキュラーエコノミーの7ブランドの作品を展示。また、ミラノで発表した吉添裕人の廃ブラウン菅と廃蛍光灯から作られた100%リサイクルガラス製のシェードを利用した照明作品や、捨てられたプラスティックから人工石を制作するアムステルダム在住の日本人ジュエリー作家・本多沙映と次世代の海洋教育を中心とした教育をデザイン、提供するプラットフォーム・3710Labのプロジェクトなども注目を集めていた。

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