アンノウン・アジア 2022

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

アジア最大級のアーティスト・アートフェア「アンノウン・アジア」が、去る10月15日、16日にかけてグランフロント大阪コングレコンベンションセンターにて開催された。今年で第8回目の開催となる今回は、長引くコロナ禍の影響もあり、主に日本国内から総勢118組のアーティストが出展(内中国からの参加者2名を含む)、プレビューを含む3日間で10,118名の来場者数が訪れた。


会場展示風景

作品展示だけでなく、第一線で活躍するアートディレクター、ギャラリスト、プロデューサーを国内外から審査員やレビュアーとして招聘し、作家に投票を行い、賞を与え、副賞として作品発表の機会やサポートなど、活動の機会を与えるのが、本イベントの大きな特色になっている。また、地元企業やアート大阪など関西のアートイベントとも連携を図り、さらなる発表の機会を広げている。


岡田将充(OMD)

審査員の投票を最も多く集めたアーティストに与えられる今年のグランプリ賞は、1987年生まれで、現在京都を拠点にOMD(オー・エム・ディー)名義でグラフィックデザイナー/グラフィックアーティストとして活動する、岡田将充が受賞。今年のメインビジュアルとして起用されたこともあり、注目度も高かったが、実際に製作された一見アナログで写真を取り込んで加工されたように見える作品は、すべて3DCGで精巧にモデリングされたオブジェクトを組み合わせたもの。現実と仮想空間を行き来するようなメタバース時代の新しい表現に感じた。こちらはSHIFT賞も授与させていただいたが、多くの審査員・レビュアーから注目を集めグランプリにふさわしい圧倒的な内容であった。


ASIAN Artists Poster Exhibition 展示風景

また、今年はアジア諸国からの出展がなかった代わりに、「ASIAN Artists Poster Exhibition」と題し、中国、タイ、韓国、マレーシア、台湾からのアーティストをフィーチャーしポスター形式での展示会を開催。また、2017年に日本人初のグランプリアーティストに輝いた河野ルルのライブペイントも会期中行われた。

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