エリック・クン

PEOPLEText: Victor Moreno

コンセプトについてもう少しお話し願えますか?

コンセプトの一部はわたしが好んで使う「セルフィー・ツーリズム」に対する社会的な論評です。自撮りを通してその場所を経験するために旅をしている旅人たちに気付いたことはありますか? それだけではなく、わたしも一緒に旅したプロのカメラマンがカメラ越しでだけその新しい場所をみているばかりで、カメラもおかず立ち止まったり空気を感じたり、その素晴らしい眺めを楽しまないでいたのを見たことがあります。それは奇妙な旅の仕方で、本当に旅を楽しんでいるとは言えません。


Death Valley, 2011 © Eric Cung

あなたの写真にでてくるキャラクターについて見た人はどのように理解すると思いますか?

わたしは写真は真価によって存在すると考えています。また、そういった反応を写真を見た人からもらったこともあります。写真は写真のごとくパワフルなのです。なので、ピエロのキャラクターを選びました。彼はサーカスという家族の一員でした。もしあなたがサーカスのキャラクターをその結束した社会から引き離したら、他に居場所がなくなります。少し超現実的ですが、大丈夫。前後背景から切り離した何かを違う環境に置くことで、実に面白い対比を作ることができます。

このキャラクターは何を象徴しているのでしょうか?

彼はもう捨てられていますから、除け者なんだと思います。何かを探そうと世界を旅している。あと、忘れないでくださいね、ピエロやジョーカーは殺されずに王に真実を伝えることのできる唯一の存在です。もしかしたら、あなたが本当は聞きたくないことをあなたに伝えようとしているかもしれません。


Stranded, 2013 © Eric Cung

あなたにとっての視覚的に魅力のある「ステージド・フォトグラフィー(演出化された写真)」の結果を得ることの重要性とその効果を誇張するための大きな構成の重要性を教えてください。

矛盾するようですが、わたしは写真には小さいフォーマットで力を発揮してほしいのです。ですから、風景とキャラクターだけの装飾のない要素のみに絞っています。それだけです。もしミニチュアとしてみても、すぐに何が描かれているかわかります。でも、もちろん、魅力的な効果といえば大きくしたり、細かい部分をみれたり、超高画質で開けた眺望だと思います。アートプリントを買うのであれば、風景の細かい部分を見つけられるでしょう。重ねるようですが、単純化によって写真は小さい形でこそ力を発揮します。でも、引き延ばすとそこには沢山のデティールが現れ、一緒になって全体の魅力を向上します。

このようなファインアート的コンセプトにデジタル写真を用いるのは稀ですか?

いいえ、デジタルという手法は近年ではよくあることです。8×10のラージフォーマットアナログ写真で知られてるグレゴリー・クルードソンのようなファインアートに特化した写真家でさえデジタル写真を使用しています。何故か。アナログのアイディアや技術をもってしても、デジタルのクオリティーやディテールに達するのが不可能だからです。例えば、リュミエール兄弟は19世紀後半フィルムや写真に特別な効果を使いました。ヨシフ・スターリンはイメージを操作して、敵のイメージを塗りつぶしました。人々がアナログ写真に愛着があるのは理解できます。アナログにはアナログの良さがあります。

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