リー・カン・キョウ 個展 「スーパー・リー」
HAPPENINGText: Juliet Fang
日本を拠点に活動している台湾生まれのアーティスト、リー・カン・キョウは。日本文化への興味から、2007年より東京造形大学でグラフィックデザインを専攻し、大学院まで在籍していた。彼の作品はメディアによって生産され繰り返し消費されていくイメージに注目し、それをグラフィックやパフォーマンスで表現している。
リー・カン・キョウの作品はスーパーのチラシや身分証など日頃使う物を描くために派手な色を使う。2014年、日本のアイドルグループをコンセプトにして社会の大量生産・消費現象に呼応したグループメンバーの増殖を表現し、グラフィックデザインのコンペティション「1_WALL」で大賞を受賞し、銀座のギャラリー、ガーディアン・ガーデンにて日本で初めての個展の機会を得た。
彼の作品はユニークな色の線と強烈なビジュアルで成り立つ。彼曰く『ヴィヴィッドカラーについて話すと、それは台湾人の人格である野心や爆発せいに関係します。台湾人としてペインティングの中に、明るい色のバイタリティを表現することは自分には自然なことなのです。』
情報でいっぱいの大量のチラシは大きなペインティングに拡大された。一方でデジタルファイルはアートや写真の複写に比較したオリジナルピースにした。これらのイメージは見られては忘れられるが、ペインティングとして形を残す。
私が彼の作品の批評をしようとしたとき、少し困惑した。チラシのデザインは必ず商業的目的があり、ほとんどの人はそのアートとしての価値を気にしたことがない。壁にそのチラシを貼り出すと、人々の注目さえ集めるが、その量のせいですぐに目は逸れる。彼のチラシに対する理解はそれ以上だ。彼が描く値段はただの数字であり、なんの意味もなさない。
昨年の終わり、彼はDMを手がけた歌手のヨガ・リンのコンサートでさらに注目されるようになった。3月にはポンディンとドゥチャンリーで個展を開催。彼の作品を通して、都市の日々の日常を再経験することができる。私たちが見てきたすこし散らかってずさんだけど、変化しつつづけるものだ。
私たちは作品の設置日にインタビューをすることができた。最初の質問はどうやってチラシを選ぶのか?ルールはあるのか?彼は感情だけで説明するのは難しいと言った。今興味のあることはあるかという質問については『レモンコーヒーだね、もちろん!』と。レモンの香りがするコーヒーが彼を夢中にさせたようで、彼のプロジェクトのジュースボックス・セルフィーシリーズを連想させる。彼の説明は作品と同じくらい直接的だ。秘伝の真実はないが、人々に伝わりやすい。彼はトレンドの人とも言えるだろうが、私からするとピュアなアーティストであるべき人だと思う。
Lee Kan Kyo solo exhibition “Super Lee”
会期:2019年3月15日(金)〜4月7日(日)
会場:Pon Ding
住所:No. 6-1, Lane 53, Section 1, Zhongshan North Road, Zhongshan District, Taipei
https://pon-ding.com
Text: Juliet Fang
Translation: Hanae Kawai
Photos: Courtesy of Pon Ding © Lee Kan Kyo